府中「手打ち陰日向」。ここで食べるなら、ワンタンチャーシュウメンは外せない。
着丼した瞬間、思わず「おおっ」と声が漏れる。丼を埋め尽くすチャーシュー、その隙間から顔を覗かせるワンタン。そして何より、圧倒的な存在感で鎮座する超極太の手打ち麺。このビジュアルだけで、これから始まる一杯への期待値が一気に跳ね上がる。
箸で持ち上げた麺が、とにかく重い。
口へ運ぶ。モチッ!ゴワッ!そして噛む。
一般的な「すすって楽しむ麺」という概念を、軽々と飛び越えてくる。噛み締めるたび、小麦の旨味がグッ、グッと押し寄せる。一本一本の不揃いな表情もたまらない。これは麺料理というより、手打ち麺そのものを食べる快感だ。
そこへ追い打ちをかけるのが、生姜のキレを効かせた醤油スープ。
醤油のコク、出汁の旨味、そして生姜の爽快な香り。力強い麺を真正面から受け止めながら、後口にはスッと抜ける清涼感が残る。このバランスが絶妙だ。
そしてチャーシュー。
肉の旨味を噛み締めながら麺を頬張り、そこへスープを流し込む。この瞬間、旨味の波が一段上がる。
さらにワンタンが来る。つるりとした皮の食感と肉の旨味が、極太麺とはまた違う存在感を放つ。
麺を食らう。肉を食らう。ワンタンを頬張る。そしてスープを啜る。
この繰り返しが、もう止まらない。
「手打ち」という言葉だけでは、この一杯の凄みは語り切れない。
豪快で、力強く、それでいて緻密。
一杯を食べ終えたあとに残るのは、満腹感だけではない。
「また、この麺を食べたい」。
そう思わせる強烈な余韻。
府中でラーメンを語るなら、一度はこの一杯と真正面から向き合ってほしい。そんな気迫すら感じさせる、圧巻のワンタンチャーシュウメンだった。