• 鮭ぶし塩(900円)

  • すすきのはラーメン横丁を徘徊していると、まだまだ思いがけない出会いがある。

    「魚介だし」と聞くと、カツオや煮干し、サバが真っ先に想像されるが、ここで出会ったのは「鮭ぶし」だった。

    四半世紀以上生きていても常に新しい発見がある。
    「鮭ぶし」
    明らかに美味しく耳当たりのいい単語に、訪店を決めずにはいられなかった。

    社会勉強だから。

    誰に向けたものだか分からない言い訳をしながら入店。

    目の前に現れたラーメンは澄んだ白をしていて、鮭特有の紅みを感じさせない風貌をしていた。
    光の三原色は、全ての色が混ざると白になるんだっけ。


    ごちゃごちゃ言うのを辞めてスープを啜る。


    一撃だった。
    「うまい」
    鮭の生命力が身体に浸透するのがわかる。
    塩加減もちょうど良く、無限に食べられる。

    出汁がよく絡む麺も背中を押す。

    スープを飲み干そうとしたが珍しく自制した。
    健康診断前のせめてもの配慮。

    大人になったんだな。
    良い塩梅で店を後にした。