• ラーメン(600円)

  • 2023年4月26日(水)

    昨夜は福岡で仕事を終えてから中洲まで繰り出してこちらの店を初訪問。

    こちらは今年で創業77年目を迎える福岡市内で現存する中では最古のラーメン店です。

    また、それと同時にこちらは「ワンタン麺」発祥の店としても有名です。

    18時52分に到着すると、広々とした店内には先客が誰も見当たらない状況です。

    席に着いて「ラーメン」を注文すると、待つ事4分ほどで待望のラーメンが到着です。

    緻密に乳化された豚骨スープには細かな油滴が浮いていて、艶やかな細麺の上にはチャーシュー、キクラゲ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、穏やかでいて丸みを帯びた塩味と共に、円やかでいて臭味の無い豚骨出汁の旨味が口の中に広がります。

    アッサリとしながらも髄の旨味や豚脂のコクに満ちていて、尚且つ仄かに効いた白胡椒の風味が味わいに絶妙なアクセントを与えます。

    一方、化調は不使用と聞いてはいたものの、自ら味わう限りでは化調に似たグルタミン酸的な旨味が少なからず介在している印象です。

    ただ、そのグルタミン酸の旨味が豚脂のコクと巧妙に重なる事で、スープの味わいにさり気ないフックを生み出している様に感じます。

    この旨味の正体は恐らく鶏であると思われるものの、私個人的には出汁で与えた鶏の旨味とは効き方が些か異質である様な気がします。

    次に麺を食べてみると、白肌な細麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めると靱やかな歯応えと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    加水率は一般的な博多ラーメンと同様に低め寄りではあるものの、現在博多で主流である麺よりは若干高め寄りである様な気がします。

    そして、細麺にはスープが適度に絡み込むものの、スープの塩味が幾分優しめである事から小麦の甘味が些か舌に伝わり難い印象です。

    ただ、高菜を加えて麺に絡めつつ食べてみると、塩味が補われると共に適度な辛味が加わる事で小麦の甘味が一段と膨らみを増します。

    次にチャーシューを食べてみると、小振りな豚バラ肉の煮豚が適度な厚みにスライスされています。

    赤身はパサ付く事なく柔らかな弾力を保っていて、染みた醤油の風味が背景となって脂身のコクや甘味が舌に鮮明に浮かび上がります。

    食べ終えた感想ですが、些か居酒屋チックな店内の雰囲気とは一転して、想像以上にクオリティーの高い味わいである様に感じました。

    改めて訪れる機会があれば、次回は発祥である「元祖ワンタンメン」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。