こってり大（1000円）

今回いただいたのは「来来亭」の看板メニューのひとつ、**こってりラーメン（ネギ多め・チャーシュー脂身・麺バリカタ指定）**です。

まず丼を目にした瞬間に、山のように盛られた青ネギのインパクトに圧倒されます。鮮やかな緑が背脂で白濁したスープの上にふんだんに広がり、そのビジュアルだけで食欲を一気に刺激してくれます。レンゲを差し入れると、鶏ガラをベースにしたスープに醤油のキリッとした輪郭が現れ、そこにたっぷりと背脂が浮かぶことで、まろやかさとパンチが同居した、まさに京都風背脂醤油の王道を感じさせる仕立てになっています。

スープをひと口啜れば、醤油の香ばしいキレ味が舌を突き抜けると同時に、背脂の甘みとコクがふんわりと包み込み、後を引く旨さ。単なる濃厚さではなく、ベースの鶏出汁がしっかりと下支えしているからこそ成立する味わいです。これにより、こってりでありながらもクドさはなく、次のひと口を自然と欲してしまいます。

麺はバリカタ指定の細ストレート麺。加水率がやや低めで、小麦の香りと歯切れの良さが際立ちます。ただし細麺ゆえにスープをしっかり吸いやすく、熱々のスープに浸かると時間との勝負。食べ進めるごとにスープとの一体感は増すものの、伸びやすさもあるのでスピード感を持って食べるのが吉です。

チャーシューは脂身を選択したため、スープの熱でとろけるような柔らかさ。脂の甘みと醤油スープのキレが合わさり、背脂の旨味とも相まって、まるで三重奏のようなコクを形成しています。噛むたびに肉の旨みが滲み出て、麺やスープとの相性も抜群です。

ネギはたっぷりと盛られているので、麺やスープと一緒に口に運ぶとシャキシャキとした食感と爽やかな辛みが全体をリフレッシュさせ、重たくなりがちなこってり感をうまく中和してくれます。背脂の甘みとネギの辛み、このコントラストが最後まで飽きさせない秘訣でしょう。

丼を平らげる頃には、胃袋はしっかりと満たされ「腹パン」状態。しかし、不思議と後味はスッキリしており、もう一杯食べたくなるような中毒性のある一杯でした。来来亭ならではの“元気が出るこってりラーメン”は、まさに背脂醤油ラーメンの完成形のひとつと言えるでしょう。

――力強くも繊細な味わい、そしてボリューム感。ラーメン好きにとって、やはりこの一杯は外せない存在です。