• 塩まぜそば(850円)

  • 前回の訪問は、孝一郎という店名に掛けた二郎系「孝二郎」を大々的に発表した週の中ほど。客が殆どいない店内、頼んだ孝二郎のお粗末さに頭を抱えたのを覚えている。全てが普通のラーメンの材料の寄せ集め。豚ではなくチャーシュー、極太ちぢれ麺ではなく太麺、濃厚汁ではなく醤油スープといった具合のものであり、店員の愛想の良さが一層悲壮感を募らせた。もう行くことはあるまいと孝一郎の名を忘れかけた時に発表されたのが、この「塩まぜそば」である。行かないと決めたがそのビジュアルや良し、今度こそお前を信じるぞと浮気性の夫をもつ献身的な妻のような心持ちで向かったのが本日である。店内はかつてのような侘しさはなく適度に混んでおり驚嘆。中サイズ300g、トッピングはヤサイマシ/アブラマシマシ/ニンニクマシマシ/カラメ/魚粉。おまけに無料で白米も付く。頼んでから出されるまでの時間は短く、別皿でマヨネーズが出される。ヤサイの頂上に卵黄ひとつにスライスチーズ。ビジュアルや良し、匂いや良し。浮かぶ孝二郎の残影を首振り忘れ、いざと割り箸を割ったが勝負。一口目はヤサイとアブラと決めている。箸でカタマリ運んでひと噛み、「ウンメェ〜〜〜ッ!!!」思わず叫びそうになったもの。塩まぜそば也。ヤサイに降りかかる塩コショウの丁度いい塩梅に拍手。こうしちゃおれんとヤサイとアブラを退け退け、麺をほじくりひと思いに啜る。ドンブリの底に濃厚ミルキィ汁が溜まり、それが太麺と絡んでいる!神!まぜそば也。ヤサイもアブラも麺もチーズも卵黄も、全部混ぜ混ぜ混ぜ混ぜしてから食べる一口は新世界。間髪入れず豚を掴む。チャーシューではなく「炙り豚」。表面の焦げた風味が食欲そそり、一口噛んでホロホロ解ける。ウンメェ〜〜!流石に感動。白米と一緒にモリモリ食える。BBQかと錯覚するレベルの満足度。マヨネーズ、魚粉を投入、異なる顔色に魅了される8分間。至福の時間でした。ごっそさん。