六丁の目駅近くの民家が目的地。
玄関から入り、襖を開けて入店。対応してくれるのは御歳92のおばあちゃん。
特選手打ち塩ラーメン(¥980)と、オススメの手造りギョーザ(¥400)を注文。
日曜のテレビの音が響く中、座布団の上でのんびりと寛ぐ。数年前拾った猫は布団の上で丸く眠る。
お先に麺が到着。おばあちゃん曰く「ギョーザ焦がしちゃったから待っててね」。
スープを一口。美味い。実家の雰囲気のような優しい味。
それでいて、出汁の旨みがしっかりとする。鶏と魚介、多重な旨みの重なりは優しいながらもハイレベル。和の心が身体に染み渡る。
麺はピロピロな平打縮れ麺。こういうのは一気に啜るのが気持ちいい。昔ながらのラーメン感、これが素晴らしい。
途中で具の天然海老にかぶりつく。海老の強い風味がアクセントとなり、また変わった顔をラーメンが覗かせる。優しい一杯に、様々な味わいが隠されている。
遅れてギョーザが到着。まず何もつけずに食べるのがおすすめとのこと。その通りに食べてみると、肉々しい旨み、ジューシーな肉汁が口の中に広がる。1個はそこまで大きくないが、感じる旨味はとても大きい。とっても美味である。
食べてる途中、おばあちゃんと談笑。テレビの取材が来ていたこと、おばあちゃんはラーメンが好きではないこと、猫は家の前に置かれていた捨て猫だったこと。途中からおじいちゃんもやってきてまた楽しくお話。まるで実家に帰省したよう。
完食後にはコーヒーまで出していただいた。昼過ぎでお客も少なく、3人でテレビを見ながらゆっくりとした時間を過ごす。冬休みの帰省の気分。幸せな時間…。
だが赤の他人が長居する訳にもいかないため、お客が来たタイミングで店を出ることに。
お二人にも「またおいでね」と声をかけられる。
こんなに居心地のいいお店は初めて。また必ず来ます。だから二人ともお元気で。