• チャーシューメン(1050円)

  • 2022年6月9日(木)

    昨夜は仕事帰りに渋谷で買い物を終えてからこちらの店を初訪問。

    こちらは目黒の名店「かづ屋」で修行された店主が営む店との事です。

    19時42分に到着すると、閉店間際である事から店内には先客が誰も居ない状況です。

    先ずは「チャーシューメン」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと待つ事5分ほどでラーメンが到着です。

    若干燻みを帯びた淡い醤油スープには油や刻みネギが浮いていて、ストレート細麺の上にはチャーシュー、メンマ、小松菜が乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、至って穏やかな醤油の風味や塩味と共に、淡麗でいて輪郭を鮮明に保った出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は豚や鶏の動物系に節主体の乾物魚介や昆布と思われますが、各々の旨味が淡白でありながらも極めて鮮やかに浮き出ている印象です。

    尚、動物系は何方かと言うと豚が味わいの主軸を担っていて、乾物魚介は酸味やエグ味を与える事なく旨味だけが巧みに抽出されています。

    一方、スープからは化調の気配を至って明確に感じるものの、露骨に浮き出る事なく味わいの一部として自然に共存している様に感じます。

    次に麺を食べてみると、若干低加水寄りの細麺が適度な硬さに茹でられていて、ザクリとした歯触りと共に鮮やかな小麦の風味を感じます。

    そして、細麺にはスープや浮いたラードが絡み込み、噛み締めるとそれらの風味が重なる事で味わいに一段と深い奥行きが生み出されます。

    次にチャーシューを食べてみると、縁が赤く染められた豚肩ロースの焼豚が若干厚めにスライスされています。

    肉質は強靭な弾力を存分に保っていて、噛み締めると焼かれた事で凝縮された肉質の旨味と共に脂身のコクや甘味が舌に存分に伝わります。

    そして、中盤戦で揚げネギを投入してみると、焦げたネギの香ばしさと共に油分のコクが加わる事で味わいに一段と膨らみが増す印象です。

    食べ終えた感想ですが、出自の構成が踏襲されながらも素材の風味が一際鮮明に表現されたこの店ならではの味わいである様に感じました。

    私が訪れた「かづ屋」出身の店は未だ3店舗目に過ぎないものの、私個人的には今の所こちらの味わいが一番好みである印象を受けました。

    今後は機会を見つけながら意識的に「かづ屋」の系譜を継ぐ店を少しづつ食べ歩いてみたいと思います。

    尚、私が現状認識している「かづ屋」出身の店は以下の通りですが、誤りや抜けが有れば是非コメントでご指摘頂けますと大変助かります。

    かづ屋(東京都目黒区)    ※訪問済
    麺屋はやしまる(東京都杉並区)
    支那そばなかじま(群馬県高崎市)
松波ラーメン店(東京都世田谷区)
荏原町しなてつ(東京都品川区)
穀雨(東京都渋谷区)     ※訪問済
支那ソバすずき(神奈川県大和市)
支那ソバ小むろ(千葉県市川市)
薫風(神奈川県川崎市)
支那そばかでかる(沖縄県中頭郡)
支那そば燈灯亭(東京都世田谷区)
麺屋悠(東京都新宿区)
支那そば玉龍(東京都昭島市)
自家製麺くろ松(群馬県高崎市)
    支那ソバおさだ(東京都板橋区)※訪問済