• ラーメン豚入り(900円)

  • ヤサイ ニンニク アブラ

    +烏龍茶(100円)



    …🐖

    ほとほと疲れ果てて辿り着いたバリヒー

    19:40

    20人強の並びに接続

    それからおよそ50分後、コールのタイミング

    『お客様、ニンニクは?』

    優しい声にまず癒されて、

    唱えるヤサイニンニクアブラ

    着丼

    ああ…

    眼前のそれに、何故だか無性にホッとしてしまう

    すべてが調和、渾然一体とした美しきそれを愉しむ

    黄金色した乳化プースー

    そいつに浸かった辺りから

    崩しては築き口腔に運ぶ

    野菜とニンニクと脂の構造体

    a.k.a 幸造体

    ビルト・トゥ・スピル

    崩す ために 築く

    ソレをオイラ

    スピル・トゥ・ビルト

    築く ために 崩す

    (あ、なんだ芸術か)




    そんなアンティパストを愉しんだあとには、

    ニンニクまとったホロホロの豚を食(は)む

    まとわない豚は旨い豚、まとった豚は神の豚

    ホロロ

    そうしてそうして、

    やわすぎず硬すぎず

    命短かし恋せよ乙女的な

    刹那的で奇跡的な麺をズビズバ

    ズビズバ…ズビズバ…ズビズバ…





    喰らっている最中、有線から

    「一日二杯の酒を飲み

    さかなは特にこだわらず

    マイクが来たなら微笑んで

    十八番を一つ歌うだけ」

    が流れ出した



    自分は気分が良くなって、トドメの最期

    「目立たぬようにはしゃがぬように

    似合わぬことは無理をせず

    人の心を見つめつづける

    時代おくれの男になりたい」

    というパンチラインに刺された

    聴覚からも心を攫われそうになりつつ、

    やれやれとんでもねえ店だな‥まったく(恍惚)

    とホクホクな感じで往来に飛び出て見上げた夜空、確かに秋だった




    fin.