• 肉そば

  • 2022年7月16日(土)

    本日は前々からの念願であったこちらの店を初訪問。

    こちらは創業30年を迎える老舗であり、仙台で最も高い全国的知名度を誇る名店です。

    開店2分後に到着すると、店内では既に10名の先客がラーメンの到着を待つ状況です。

    着席すると共に「肉そば」を注文すると、待つ11事分ほどで待望のラーメンが到着です。

    濃いめな醤油スープには背脂が浮いていて、緩やかに縮れた中太平打ち麺の上にはチャーシュー、メンマ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、至って穏やかな醤油の風味や塩味と共に、淡麗でいてシンプルな出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は豚主体の動物系に煮干しと思われますが、動物が軸となりつつも煮干しが雑味を伴う事なくさり気ない奥行きを与えています。

    ただ、時間と共に背脂やチャーシューから油分が溶け出る事で、魚介感が薄らぐと共に動物的なコクや甘味が飛躍的に増す印象です。

    経時による味の変化を仕掛けた構成とは聞いていたものの、正直言ってここまで顕著に味わいが変わるとは思ってもみませんでした(汗)

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの中太麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めると靭やかなコシと共に明確な小麦の風味を感じます。

    そして、平打ち麺にはパンチが増したスープが存分に絡み込み、小麦の甘味と動物系の旨味が相乗する事で味わいに豊潤な膨らみを与えます。

    因みに、こちらの麺にはシルクが練り込まれているそうですが、残念ながらシルクと思しき形跡を自らの舌で検知する事は出来ず終いでした。

    次にチャーシューを食べてみると、豚バラ肉の煮豚が適度な厚みにスライスされています。

    肉質はホロホロになるまで存分に煮込まれていて、口に入れると脂身が溶けると共に上質な豚脂のコクや甘味が舌に極めて鮮明に伝わります。

    尚、メンマには加糖の甘味が若干強めに効いていて、その甘味がスープの塩味と対峙する事で味わいに鮮やかなアクセントが生み出されます。

    食べ終えた感想ですが、構成自体は至って在り来りではあるものの、極めて懇切丁寧に作り込まれた隙の無い味わいである印象を抱きました。

    また、背脂とチャーシューから出た脂質でスープの味わいがここまで極端に変わる事にも驚嘆を覚えました。

    改めて訪れる機会があれば、次回は選択に迷った「背脂生姜ワンタンメン」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。