2023年8月26日(土)
昨夜は4月のオープンから話題が尽きないこちらの店を初訪問。
尚、事前に調べてみた所、店主は和食で経験を積まれた方の様です。
開店13分前に到着すると、店の前では既に3名の先客が開店待ちの状況です。
開店と共に順次店内に案内され、先ずは「白だししなそば」の食券を購入しました。
そして、食券を渡してから席に着くと、待つ事12分ほどで待望のラーメンが到着です。
琥珀色のスープは薄らと曇りを帯びていて、縮れた太麺の上にはチャーシュー、ワンタン、メンマ、三ツ葉、刻み玉ネギが乗っています。
先ずはスープを飲んでみると、穏やかでいて円やかに効いた塩味と共に、シンプルでいて厚みに満ちた出汁の旨味が口の中に広がります。
出汁は恐らく貝主体と思われますが、渋味を伴った琥珀酸の風味よりも貝柱から出たと思しき旨味の方が若干ながら優っている印象です。
また、スープからは鶏脂らしき後味を感じるものの、自ら味わう限りでは出汁と言うよりも寧ろ浮いた油分が出所である様な気がします。
一方、メニュー名からタレは薄口醤油が軸と予想してはいたものの、慎重に味わっても尚醤油を匂わせる痕跡は希薄である様に感じます。
また、奥底からはタレ由来と思しき乾物に似た気配を感じるものの、微弱であるが故に明確な素性を判別する事は極めて困難な状況です。
次に麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が適度な硬さに茹でられていて、モチモチとした歯応えと共に瑞々しい小麦の風味を感じます。
そして、手揉みされた麺にはスープや油分が存分に絡み込み、小麦の甘味と油分のコクが重なる事で味わいに更なる膨らみが生まれます。
次にチャーシューを食べてみると、レア寄りの豚肉が適度な厚みに切られていて、他方の鶏胸肉はかなり分厚めにスライスされています。
豚チャーシューは赤身の肉々しい弾力を保っていて、噛み締めると控えめに味付けされた肉質の豊潤な旨味が舌に鮮明に映し出されます。
一方、鶏胸肉は微かにレアっぽさを残していて、尚且つ味付けが至極軽めである事から肉質の淡白な旨味が舌に至って素直に伝わります。
次にワンタンを食べてみると、貝の身を細かく叩いた様な餡が厚め且つ広めな皮に包み込まれています。
餡の味付けはシンプル且つ控えめに抑えられてはいるものの、旨味が些か希薄である事から恐らく出汁殼の再利用である様な気がします。
食べ終えた感想ですが、貝と小麦の風味が素直に表現されてはいたものの、私個人的には些か既視感が否めない味わいである印象でした。
和食経験を彷彿とさせる素材感が活かされた仕上がりである反面、食べ手の想定を上回る様な意外性には些か欠けている感が否めません。
改めて訪れる機会があれば、次回は濃口醤油ベースである「しなそば」を是非試してみたいと思います。
ご馳走さまでした。