• 昔風ラーメン(500円)

  • 昭和の趣きを残す建物が点在する堤川沿いにあり、百年食堂に数えられる創業明治の超老舗。左隣には同じく百年食堂の小田九があるが、平田屋は近年、和モダンな造りに改修しているため、非常に対照的な外観となっている。

    自動ドアを開けると、いらっしゃいませ〜、とおかみさんかな、上品な女性が店内に1人。厨房の様子は見えなかったが、1人でテキパキと接客をこなしており、混雑時でもさほど配膳まで待たされなかった。

    メニューはそば食堂と銘打つ通り、そば、うどん、ラーメン、定食、丼物と網羅していて、価格帯も良心的。

    醤油味のラーメンには中華そばと昔風ラーメンの2種があり、和風出汁と醤油を濃いめに効かせたという後者を注文。さらに、評判の良いカレーをミニサイズ(250円)でいただいた。

    スープは煮干焼干と、昆布に節系のかえしの旨味、鶏出汁や、チャーシュー由来の豚の風味が何れも突出することなくバランス良く収まり、そこに醤油ダレを少し強く効かせたコク深い味わい。

    麺はちょっと意外だったのだが、低かん水(無かん水?)の中太ゆる縮れで、ざらつきのある食感と、芯が残るアルデンテ風の茹で加減が特徴的。西中華そば店の麺に似ている。というかこちらがオリジナルか。

    チャーシューは柔らかジューシーなもも肉が2枚。あとは、ネギとメンマにお麩。

    古典的だけど古臭さはなく、シンプルだけど妥協を感じさせない、印象に残る一杯であった。絶妙な甘さのカレーも旨かった。再訪したい。
    ★3つ。