• 味噌ラーメン(800円)

  • 2023年9月12日(火)

    昨夜は出張を終えた後にホテルからほど近いこちらの店を初訪問。

    こちらは今は無き八幡の老舗である「珍々亭」の跡地で御子息が引き継いだ店との事です。

    18時22分に到着すると、店内には先客が僅か2名のみの状況です。

    当初はデフォルトである豚骨ラーメンを食べるつもりでしたが、メニューを見て不意に気が変わり「味噌ラーメン」を注文しました。

    そして、カウンター越しに調理の様子を眺めつつ待つ事4分ほどで待望のラーメンが到着です。

    茶褐色に濁ったスープはきめ細かく乳化されていて、中太麺の上にはチャーシュー、炒めた野菜類、挽肉、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度に効きながらも円やかな味噌の風味と共に、クリーミーな動物出汁の旨味が口の中に広がります。

    味噌ダレは赤味噌が主体と思われますが、赤味噌のシャープな風味が保たれつつも乳化された出汁で塩味が緩やかに丸められています。

    また、今時の味噌に有りがちなスパイス感は希薄ではあるものの、奥底には微かながら生姜に似た風味が介在している様な気がします。

    総じて言うと、シンプルに仕上げられた味噌豚骨ではあるものの、赤味噌の素朴な風味と豚骨のコクが見事に両立されている印象です。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの中太麺が柔らかめに茹でられていて、モッチリとした歯応えと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    そして、麺にはスープが存分に絡み込み、噛み締めると小麦の甘味と味噌の風味が重なる事で味わいに豊潤な膨らみが生み出されます。

    次にチャーシューを食べてみると、豚バラ肉のブロック煮豚が若干厚めにスライスされています。

    赤身はシットリと仕上げられていて、噛み締めると染みた醤油ダレの風味が背景となる事で脂身のコクや甘味が舌に鮮明に伝わります。

    また、炒められたモヤシとキャベツは薄らと下味を帯びていて、素材の食感を保ちながらも熱された油の香ばしい風味を纏っています。

    そして、麺に野菜を絡めつつ食べてみると、野菜の甘味と共に刻みチャーシューのコクが加わる事で味わいに一段と広がりが増します。

    食べ終えた感想ですが、シンプルでいて長年培われた技量が存分に伺える完成された一杯でした。

    改めて訪れる機会があれば、今度こそは定番である「ラーメン」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。