• 100年ラーメン

  • ととのいの彼方で
    世界が静かに、ほどけてゆく

    火照る肌に夜風が撫でて
    空はただ、遠く透明だった

    そんな帰り道
    一軒の灯りが俺を呼ぶ

    のれんをくぐる
    湯気と香りが一斉に胸を打つ

    レンゲにすくう黄金のしずく
    ひとくち、魂が溶けた

    ああ、これはもう
    ただのラーメンではない

    汗も、悩みも、
    すべてがスープに置き去りにされる

    サウナとラーメン
    この二つがあれば
    きっと明日も、大丈夫だ