• 特製つけそば(1050円)

  • 2021年6月20日(日)

    本日は前々から気になっていたこちらの店を初訪問。

    11時32分に到着すると、既に26名の先客が入店待ちの状況です。

    店頭で記帳してから待つ事38分ほどで食券の購入を求められました。

    早速「特製つけそば」の食券を購入し、店員さんに渡すと待つ事5分ほどで店内に案内されました。

    そして、席に着いてから更に待つ事8分ほどで待望のつけ麺が到着です。

    綺麗に畳まれた細麺は紫色のツユに浸かっていて、その上には紅葉の形にカットした昆布が乗っています。

    一方、スープは醤油の色を結構強めに帯びていて、その中にはチャーシュー、メンマ、刻みネギ、三ツ葉が仕込まれています。

    また、別の薬味皿には豚の角煮、味玉と共に擦り下ろした柚子と思しきペーストが盛り付けられています。

    先ずは麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が適度な硬さに茹でられていて、コシには若干欠けるものの小麦粉の鮮明な風味を感じます。

    因みに、麺にはロースト胚芽を加えているとの事ですが、実際に味わう限りでは焙煎した穀物特有の香ばしい風味はさほど感じられません。

    尚、麺を浸しているツユは海苔出汁との事ですが、一切粘りの無いサラリとした出汁が細麺に薄ら絡み付く事で仄かな磯の風味を与えます。

    次にスープを飲んでみると、生醤油の香ばしい風味や塩味が強めに効いていて、出汁の存在感はスープを飲む限りでは些か希薄である印象です。

    尚、出汁は鶏を主軸に魚介や豚ガラを使っているとの事ですが、私が味わう限りでは醤油ダレの風味の間から鶏の存在を仄かに感じる程度です。

    一方、醤油の風味や塩味が強い割に塩角は殆ど感じられず、尚且つ仄かな甘味を感じる事からミリン或いは日本酒を加えている様な気がします。

    そして、麺をスープに漬けて食べてみると、スープの熱で麺の風味が増すと共に、醤油の香ばしさが重なる事で味わいに一層深い奥行きを与えます。

    次にチャーシューを食べてみると、恐らく豚肩ロース辺りの部位を使った焼豚が拍子木状にカットされています。

    肉質は醤油ダレで適度に味付けされていて、噛み締めると歯応えに瑞々しい弾力を感じると共に、赤身の旨味や脂身の甘味が舌に余す所なく伝わります。

    次に角煮を食べてみると、繊維質までホロホロに仕上がっていて、肉に染みた甘めな醤油ダレの風味が背景と化して脂身の甘味が舌に鮮明に伝わります。

    一方、ペースト状の柚子を味見してみると、柚子の風味と共に結構苦味が効いている事から、恐らく果肉と一緒に種も擦り下ろしている様な気がします。

    そして、ペースト状の柚子をスープに溶いて食べてみると、柚子の風味と苦味が加わる事で醤油主体の重厚なスープの味わいに絶妙な清涼感を与えます。

    次に味玉を食べてみると、黄身は若干硬めに仕上がっているものの、適度に染みた醤油出汁の風味が背景と化して黄身の味わいが舌に濃密に伝わります。

    そして、最後にスープ割にして飲んでみると、醤油感が落ち着くと共に煮干しの苦味が重なる事で、乾物魚介のビターさが際立った大人の味わいに変わります。

    食べ終えた感想ですが、出汁感には些か欠けているものの、麺と生醤油の風味を素直に押し出した個性的で素晴らしい味わいでした。

    ただ、最寄駅からのアクセスが絶望的に悪過ぎて、車を持たない私はとても頻繁に訪れる事が出来そうにありません。

    改めて訪れる機会があれば、次回は「中華そば」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。