• 中華そば(700円)

  • 2024年1月8日(月・祝日)

    本日は和歌山まで移動して念願であったこちらの店を初訪問。

    こちらは和歌山ラーメンの名を世に広めた「井出商店」出身の店主が営む老舗です。

    13時28分に到着すると、席は概ね8割程度が埋まっている状況です。

    席に着いて「中華そば」を注文すると、待つ事僅か3分ほどで待望のラーメンが到着です。

    茶褐色に濁ったスープは緩やかに粘度を帯びていて、艶やかな細麺の上にはチャーシュー、ナルト、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、無垢寄りな醤油の風味や軽やかな塩味と共に、濃厚でいて円やかな豚骨出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は概ね豚骨と思われますが、骨っぽさやゼラチン質に満ちた味わいであり、尚且つ熟成された豚骨出汁の仄かな臭気を帯びています。

    一方、塩味の軽さに対し醤油の風味が鮮明に保たれている事から、醤油で煮た豚骨を使う伝統的な方法で作られているのかも知れません。

    また、豚脂はゼラチン質によってきめ細かく乳化されている事から、スープを飲むと脂質から来る極自然な甘味が舌に仄かに伝わります。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの細麺が適度な硬さに茹でられていて、靱やかなコシと共にグルテン化された小麦の風味を感じます。

    滑らかな肌は透明感を帯びていて、尚且つ小麦の風味や甘味がリッチである事から、麺帯には長めに熟成が施されている様な気がします。

    そして、麺には微かに粘度を帯びたスープが潤沢に絡み込み、小麦の甘味に豚骨の旨味が重なる事で味わいに豊潤な膨らみが生まれます。

    次にチャーシューを食べてみると、脂身が少なめな豚バラ肉の煮豚が薄めにスライスされています。

    肉質はパサ付く事なく瑞々しい食感を保っていて、染みた醤油の無垢な風味と共に赤身の旨味や脂身の甘味が舌にさり気なく伝わります。

    食べ終えた感想ですが、出自の「井出商店」対比で出汁の濃度と熟成感が一段と増している印象でした。

    改めて訪れる機会があれば、次回は和歌山ラーメンの流儀に従い「早なれ寿司」と一緒に食べてみたいと思います。

    ご馳走さまでした。