• 納豆ざるらぁめん 並盛(840円)

  • 鶏ガラ豚骨ベースのあっさりした醤油味のつけダレ。味はそれほど濃くない。アクセントに微量の黒胡麻、一味唐辛子。麺は中野食品の中太平打ち麺。つるっとしてコシが強く、噛めばもちもちした食感。加水率は高め。太めに刻まれた海苔が乗る。量は250g。大盛まで同価格。
    つけダレの丼で一際目を引くのが、生卵とよく混ぜられた納豆。穴開きれんげが添えられることからも、たっぷりなのが窺える。
    チャーシューは大きめの拍子木切りで、見えないがごろごろしている。しっかりした食感で、旨味の詰まった美味しいもの。メンマは特徴がないが、こちらも量は多い。長ねぎは切り方がかなり粗い。

    生卵と納豆で、蓋がされたような独特のビジュアルのつけダレ。納豆のない所から一口飲むと、意外や意外、正統派の中華スープ。
    麺はつけダレと納豆にしっかり絡み、食感がよく美味しいもの。歯応えが抜群。
    納豆は1パック丸々使い、そのままでよくかき混ぜてから生卵と合わせる。糸を引くねばねば感が美味しさの秘訣。納豆の旨味に生卵のコクが加わる。
    チャーシューは新宿の「満来」の流れを汲むだけあって、非常に美味しいもの。しかも、この店は総じて具の盛りの気前がよい。
    とくに納豆は麺に充分絡め、穴開きれんげですくいながら食べて、なお底に余る量。

    往時なら大盛350gは何とか行ける量だが、無理する必要性はまったくない。そして、その判断は正解だった。
    一般的なつけ麺と違って、つけダレの具に充分すぎるほどの食べ応えがあるので。
    スープ割りの有無は不明。そのまま飲める濃さだったので、納豆と一緒に完食。
    途中で加えた七味唐辛子は合わなかった。

    一見するとイロモノだが、実は理にかなっている。賄いから生まれた通称"なざる"。
    百聞は一見にしかず。納豆は好き嫌いの分かれる食材だが、よければ一度試してほしい。
    はまる人は間違いなくはまるだろうから。

    消費税増税後も価格は据え置き。
    そして、これが2019年最後の一杯。206杯は一昨年までの数字に戻った格好。
    11月に食中……げふんげふん。おかゆとスープで過ごしたあの2週間がなければ、もう少し杯数は伸びたかもしれない。