【オーダー】
黒丸 味たまチャーシュー油そば 1250円
ライス 250円
油そばというジャンルの文脈を語る上で外せない一杯。
いわば“基準点”として、改めて現在の舌で向き合ってみる。
丼底のタレは甘辛+ラード感しっかりの王道設計。初手のパンチは強く、カエシの角と油のコクで一気に引き込むタイプ。中太麺は加水高めでもちっとした弾力。しっかり混ぜ込むとタレの粘度に負けずに持ち上がる設計で、この“麺と油のバランス感”はさすがの一言。
卓上の酢やラー油で味をチューニングしていく前提の構造も含め、完成形は食べ手側で仕上げるスタイル。このカスタム性の高さは、油そば文化を広げた立役者らしい魅力だと思う。
一方で、食べ進めるにつれて味の構成が単線的に感じやすいのも事実。旨味は強いが、出汁由来の重層的な奥行きや香りの変化は控えめで、後半は惰性になりやすい。具材も“役割は果たすが主役は張らない”ポジションで、全体としてもう一段の立体感が欲しくなる。
歴史的価値とジャンキーな満足感は今も健在。
ただ、現在の多様化した油そばシーンと並べると、あと一手の余韻や驚きが欲しくなる一杯。