• ワンタン麺(935円)

  • +煮玉子(55)。ここも15年くらい前に1回来たっきりだ。民家の一階を使っている古風な店構え。大きな窓から見える夏の緑は、ラーメン屋とは思えない開放感と清涼感を与えてくれます。

    でかいのは覚えてたけどこんなまでデカかったか。丼は二郎のより全然デカく、銭湯の洗面器を一回り大きくしたくらいのサイズ感。軽めの洗面台。たぶん産湯できる。
    ふわりと麺線整った見るからに軽やかな細麺は身体に染み入るかのような自然なすすり心地で、相当な麺量のはずが気持ちよくなくなっていく。
    セピア色の情景が浮かぶスープは今まで食べてきたあらゆるラーメンの中で一番優しい。醤油の塩味、甘味、酸味、煮干しの香り、ビターさ、ラードの動物感。非常に高いレベルで調和が取れ整えられたスープは飾らず芯と品のある味わいで、食べ飽きない、常に一定の幸福感を与える陽だまりのような印象。
    ワンタンうんまい……。美味しいワンタンってこんなところにあったんだ……。
    流行りのもっちりぎっしりのワンタンではなく、つるりと薄皮のもの。
    限りなくバランスの取れたこの丼には、餡の僅かな塩味や旨味さえ輝くようなアクセントになり、これを味わうと同時に濃い味に飢えジャンクに傾倒していた己を恥じた。
    玉子が安い。少し黄身が固まり始めたしっとり食感で、ほっこりスープとの相性が良すぎる。

    これはいいものを食べてしまった。半月毎日ラーメンを続けてきて、いつの間にか見失ってしまった純粋なラーメンの楽しみ方を改めて見つけ出せる最高の一杯でした。