• 醤油(800円)

  • 2023年12月3日(日)

    本日は伊東から真鶴まで移動して気になっていたこちらの店を初訪問。

    こちらは嘗てコントグループ「B21スペシャル」で活躍していた「デビット伊東」氏が約2年半前に真鶴へ移住すると共に開業した店です。

    尚、彼のラーメン職人としてのキャリアは、嘗て出演していた番組の企画が切っ掛けで渋谷に開業した時から既に23年を経ています。

    11時59分に到着すると、店内の席は概ね半分程度が埋まっている状況です。

    席に着いて「醤油」を注文すると、待つ事6分ほどで待望のラーメンが到着です。

    薄らと濁った醤油スープには疎らに背脂が浮いていて、細麺の上にはチャーシュー、メンマ、刻みネギ、微塵切りの玉ネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度に効きながらも丸みを帯びた塩味と共に、円やかでいてクセの無い出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は鶏や豚の動物系にローストされた鯖の骨との事ですが、動物から出たゼラチン質を背景として魚介が尖る事なく現れている印象です。

    ただ、魚介の出方は乾物や鮮魚とは全く異質であり、ロースト感が希薄である割には何処か焼魚を彷彿とさせる仄かな痕跡を残しています。

    一方、タレは塩味を適度に与えながらも醤油感が控えめである事から、恐らく濃口醤油に塩や薄口醤油を併用した構成であると思われます。

    次に麺を食べてみると、白肌な細麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めるとプツリとした歯触りと共に仄かな小麦の風味を感じます。

    そして、嫋やかな麺には微かに粘度を帯びたスープが存分に絡み込み、それらが口内で混ざる事で味わいにさり気ない膨らみが生まれます。

    次にチャーシューを食べてみると、豚バラ肉のロール煮豚が薄めにスライスされています。

    赤身は固めながらもパサ付く事なく仕上げられていて、深めに染みた醤油の風味が背景となって脂身のコクや甘味が舌に鮮明に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、漁港が近い真鶴ならでは食材を巧みに取り入れる事で生み出されたオリジナリティー溢れる一杯でした。

    とは言え、パワフルな豚骨魚介系に慣れた現代のラーメン好きにとっては些か中途半端な味わいである印象が否めませんでした。

    尚、店を出る間際にふと厨房に目を向けてみると、デビット伊東氏が自ら調理されている姿を少しだけ拝見する事が出来ました(嬉)

    改めて訪れる機会があれば、次回は飛躍的なパンチが期待出来そうな「裏醤油」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。