• のりラーメン(870円)

  • 今回紹介したいお店があるのは、港北区新羽町。

    横浜市最大の一級河川である鶴見川にグルリと取り囲まれた街で、平成の初め頃までは街じゅうに小さな町工場がひしめくところでした。

    筆者はこの新羽町で育ち、学校も新羽小学校〜新羽中学校の出身です。

    時代は昭和から令和に変わりましたが、旧友が今なお多く住み、懐かしさもあってよく訪れている街なのです。

    そんな新羽町の、「新羽小学校入口」交差点前、「中の久保ショップ」の前に今回紹介するお店「麺唐」さんがあるのです。

    ここは平成の初め頃まで文具店があってお世話になっていましたが、いつの間にか大人気のラーメン屋さんに変わっていました。

    まず、人気の秘訣はアクセスの良さでしょう。バス停「中之窪町」の目の前であり、地下鉄「新羽」駅と「新横浜北」駅の中間くらいで、どちらも徒歩圏内。

    そして、お店の前には駐車場もしっかり完備されています。

    では、さっそく入店。店内はカウンターが7席、4人がけテーブルが1卓、お座敷2卓といった構成。

    いつもは店内写真を撮らせていただくのですが、ほぼ満席だったので撮りませんでした。

    注文したのは「のりラーメン」(870円)。

    麺の固さ・味の濃さ・油の多さが選べますよ、との事ですが全て「ふつう」でお願いしました。

    カウンターに座ると、フルオープンライブのキッチンを眺めていることができます。

    ラーメン担当のマスターと、注文・お会計・サイドメニューを担当されている奥様の二人三脚が素晴らしすぎて、絶妙なコンビネーションはまるでサーカスを見ているかのよう。

    ウットリしながら見ていると、それは自分のラーメンでした。

    うーん、供された瞬間にホワホワと香ってくる豚骨と鶏脂の良い香りがたまりませんねぇ。

    ▼スープ

    はやる気持ちをおさえ、まずはスープから。

    一口飲むと一気に広がる、豚骨の濃厚かつ優しいダシのコクが素晴らしいです。

    「濃厚で優しい」というとおかしな表現のようですが、お口に含むたびにお口の内側、上下左右にジワジワジワジワ響いてくるコクが素晴らしいのです。

    それでいて、しつこくなくスッキリとした味わい。

    40代も後半に突入した身でも、もたれずに楽しめる優しくも後を引くスープです。

    ▼麺

    麺は、家系としては少し細めに感じる麺です。

    断面は綺麗な四角でもっちりとしており、スープとの相性もいいですねぇ。

    茹で加減もプリッとシコッとしていて、いくら食べても飽きのこない美味しい麺です。

    ▼具材

    チャーシューは、しっかりとバラが2枚。

    トロトロすぎずに適度な固さで、噛めば噛むほど肉の食感とジュワリとあふれる肉汁を楽しめる好みのチャーシュー。

    のりは7枚ですが、他のラーメン屋さんで見る海苔に比べてツヤッツヤです。

    こののりにスープを吸わせて、麺を巻いて食べるのが好きなのです。

    他に、ほうれん草とシナチクが入っていました。

    ◆◇◆後記◆◇◆

    この新羽町という街は、かつては外食産業というものは皆無でした。

    しかし、地下鉄が開通して駅前も栄え、工場がどんどんマンションに変わっていき、ずいぶん賑やかになりました。

    極め付けは、この「麺唐」さん。

    真面目なマスターさんが作る間違いのないラーメンを、ニコニコ明るい奥様が供される新羽町民のオアシス。

    こんな素晴らしいお店ができるなんて初めから知っていれば、そもそも新羽から引っ越さなかったのになぁ!! と、最後に残ったスープをすすりながら感慨にふけったのでした。

    お試しを!