• 白醤油手揉みラーメン+ワンタン

  • 座敷わらしとは岩手県に伝わると妖怪である。
    子供や心が清いものにしか見ることのできない、とてもレアでお茶目な妖怪なのだ。
    座敷わらしが居着いた家には幸福が訪れるという伝説がある。


    本日お邪魔させて頂いたお店「自家製麺こうじ」さん。何度かここでも紹介させてもらったお店だ。
    ここは主人がワンオペで魂込めてラーメンを作ってくださっているのだが、その脇で椅子に座り何をする訳ではなく、ただニコニコする老婆がいる。

    主人が目の前でラーメンを作る様をカウンター越しでライブ感覚で鑑賞しながら「お!俺のラーメン作ってるな」とワクワク感を抱けるのだが、その老婆が気になってラーメンに集中できない。

    少し老婆の動向を伺うことにした。
    老婆はお客さんが来店すると「いらっしゃいませ」と発し微笑む。
    そして椅子にすわる。
    また、ごく稀に何か思い出したかのように食洗機をいじくり、また座りニコニコしている。

    パートなのだろうか?。
    いやパートならその働きぶりならすぐにクビになるに違いない。

    いや待てよ。この老婆をみんな見えているのだろうか❓
    もしやこの老婆「座敷わらし」ならぬ「座敷ばあちゃん」なのではなかろうか。
    座敷わらしは特に何かするわけでもなく、そこに居るだけで幸せを運んでくれる。
    この老婆も居るだけで幸運をもたらすと思えば、急に神々しく有り難く思えてくる。ありがたい。あやかりたい。

    そうこう考えているうちに有難く着丼なーむ。
    今日はこの店のレギュラーの白醤油手揉みラーメンをセレクト。
    白河ラーメンにインスパイアされたラーメンで鶏と煮干しベースの優しいスープ。
    あっさりとしているにしっかりとしてコクもあり、毎日食べても飽きの来ないお味。
    自家製麺もモチモチしており小麦の味もして旨し。
    トッピングでのせたワンタンもツルツルして中の餡の肉も生姜効いており美味。

    やはりあの老婆は座敷ばあちゃんに違いない。
    座敷ばあちゃんの笑顔に癒され幸福になった。
    最後までニコニコして「ありがとうございました」と。
    こちらこそ美味しいラーメンを有難うございました。

    幸運を分けてもらったので年末ジャンボでも買ってみるとするか。