• 冷やし担々野郎(1100円)

  • 毎月限定、そして確かなクオリティでファンを飽きさせない「らーめんチキン野郎」。今回いただいたのは、その中でもひときわインパクトの強い限定麺――冷やし担々麺(雲海仕立て)。

    まず着丼して思わず見惚れる。
    丼の中に広がるのは、まるで白銀の雲海。ふわっふわのメレンゲが全体を覆い、その中心に鎮座する卵黄の朱色がまるで朝日に照らされた太陽のよう。見た目だけで惹き込まれる芸術的な一杯。

    メレンゲをスプーンでそっとかき分けると、その下には汁なしタイプの冷やし担々麺が隠れていた。まるで“発掘”していくような感覚が面白い。

    麺は自家製の中細ストレート。キリッと冷水で締められており、コシと喉越しが抜群。ピリ辛の担々ダレがしっかり絡み、ふんわりしたメレンゲのまろやかさがその辛さを優しく包み込む。
    この組み合わせが絶妙で、“ふわっ、ピリッ、スーッ”とした後味が夏の身体に心地よい。

    具材は一見すると全貌がわからない。
    明確に感じたのは香ばしいひき肉と、食感のアクセントになる刻みアーモンド。他にも細かく仕込まれた具材が潜んでいたかもしれないが、メレンゲの雲の中では見つけきれず、それもまた楽しみのひとつだ。

    意外だったのは、メレンゲのボリューム。
    空気を多く含むため、食べ進めるうちに想像以上の満腹感を覚えるが、不思議と食後はすぐにその張りが引き、胃に重たさが残らない。この軽やかさもまた、夏にぴったりの設計だ。

    何より素晴らしいのは、この店が常に“攻めて”いること。
    定番の美味しさに加えて、毎月の限定メニュー、自家製麺へのこだわりと、常に進化を続ける姿勢。
    冷やし担々麺のようなユニークな挑戦に触れるたび、「また来たい」と思わせてくれる。