• 中華そば(500円)

  • 2021年3月6日(土)

    昨日は2軒目に前々から気になっていたこちらの店を初訪問。

    名店「柴崎亭」の店主が昨年10月にオープンした店との事です。

    13時27分に到着すると、店の前では9名の先客が入店待ちの状況です。

    外で待つ事19分ほどで店内に案内され、先ずは「中華そば」の食券を購入しました。

    そして、席に着いてカウンター上に食券を置くと、待つ事7分ほどで待望のラーメンが到着です。

    透き通った醤油スープには香味油が浮いていて、美しく揃ったストレート細麺の上にはチャーシュー、メンマ、小松菜が乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、円やかな醤油の味わいや塩味と共に、煮干しの香ばしい風味が口の中に広がります。

    出汁は長崎県産の煮干しとの事ですが、私が味わう限りでは鶏の旨味が土台となって煮干しの風味を支えている印象です。

    そして、醤油ダレは出汁と合わせてから小鍋で加熱する事で、醤油の角を除きつつも出汁の風味との調和を保っています。

    一方、煮干しの風味は寧ろ香味油から強く放たれていて、その他にもバターを彷彿とさせる独特なコクや甘味を感じます。

    多分香味油は煮干しを揚げた鶏油と思われますが、油に関しては素性を断言出来るほど明確に風味を感じ取る事は出来ませんでした。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が若干硬めに茹でられていて、靱やかなコシと小麦粉の風味をバランス良く兼ね備えています。

    そして、麺にはスープと共に香味油が強く絡み込む為に、麺を啜り込むと香味油が舌に集まる事で煮干しの風味や油のコクを一層強く感じます。

    次にチャーシューを食べてみると、若干厚めにスライスされた豚肩ロースの煮豚が提供の直前に直火で炙られています。

    表面には粗挽きの黒胡椒を纏っていて、噛み締めると赤身のホクホクとした食感を感じると共に炙られた脂身の香ばしい甘味が舌に鮮明に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、率直に言うと私的には「柴崎亭」よりもこちらの味の方が断然好みです。

    こちらでは「柴崎亭」の研ぎ澄まされた味わいに更なる深みや厚みを与えている印象を受けました。

    尚且つ、この味をワンコインで提供する企業努力に対しては最早敬意の念を抱かざるを得ません。

    改めて訪れる機会があれば、次は「祖師谷塩そば」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。