• 豚そば(800円)

  • 2021年1月9日(土)

    昨日はニボOLと解散した後にこちらの店を初訪問。

    本店は福岡市に在る様ですが、写真で見る限りラーメンの外観は名店「来来」に極めて似ています。

    実際に店を訪ねてみると、飲食ビル内のオープンスペースの一角に構えるカウンターのみの店でした。

    15時02分に到着すると、食事には半端な時間である為に、カウンターには先客が1人のみの状況です。

    早速席に着いて「豚そば」を注文すると、待つ事僅か2分ほどで待望のラーメンが到着です。

    極めて透明なスープには油が煌く様に浮いていて、ストレート細麺の上には小振りなチャーシューが乗っています。

    一方、薬味の小皿には刻んだ万能ネギと4当分にカットされたカボスが添えてあります。

    ただ、卓上の説明にはカボスと書いてあるものの、サイズや酸味の強さを考慮する限りでは極めてスダチに近い印象です。

    先ずはスープを飲んでみると、微かに角を残しつつも穏やかな塩味と共に、雑味の無い豚骨のクリアな旨味が口の中に広がります。

    出汁は当然豚骨が主体と思われますが、慎重に味わってみると鶏油らしきバターに似たコクや昆布らしき微かな甘味を感じます。

    ただ、豚清湯をここまで純粋な状態で味わった事が無い為に、豚骨自体が与えるコクや甘味である可能性も決して否定出来ません。

    何にしても、乳化させた出汁に比べて風味の輪郭を鋭く保っている為に、一般的な豚骨スープよりも寧ろ豚骨の旨味を極めて鮮明に感じます。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が柔らかめに茹でられていて、コシや歯応えには欠けるものの小麦粉の甘味を極めて鮮明に感じます。

    そして、食べ進めるに連れて次第に麺がスープを吸い込む為に、麺を啜り込むと両者の風味が重なり合う事で味わいに新たな奥行きを与えます。

    次にチャーシューを食べてみると、かなり小振りな豚バラ肉の煮豚が極めて薄めにスライスされています。

    ただ、味付けは比較的軽めに抑えているものの、厚みがあまりにも薄過ぎる為に噛み締めても豚肉の旨味が殆ど舌に伝わりません。

    次に、店の勧めに従い薬味を入れて食べてみると、ネギの香味やカボスの酸味がシンプルなスープの味わいに更なる奥行きや広がりを与えます。

    ただ、カボスは絞り過ぎると些か酸味が勝ち過ぎてしまい、豚骨のコクや風味を覆い隠してしまう様な印象を受けました。

    食べ終えた感想ですが、初めて経験する味である為かも知れませんが、私個人的には極めて強く印象に残る味わいでした。

    油分やコラーゲン等を除いた豚骨の純粋な旨味をこの歳になって初めて知る事が出来た様な気がします。

    一方で、既に「来来」を経験された方のレビューを読むと「来来」には及ばないと言う意見も見受けられました。

    ただ、豚骨が主体の極めてシンプルな味わいである為に、私にはこれを更に凌駕する味のイメージ自体が頭に全く思い浮かびません(汗)

    何時か福岡を訪れる機会があれば、現地で両店の味を是非食べ比べてみたいと思います。

    ご馳走さまでした。