• ラーメン

  • 遠征すると、どうしても3軒回ってしまいがちになる。まず本命(当日の目的)の1軒目があり、折角遠出したのだからと兼ねてより気になってた店を2軒目に据える。そこでおとなしく満腹になっていればいいものを、遠征先でたまたま目に入った&情報のない店があると「今日を逃したら、多分二度と訪れないだろうな……よし」と暖簾を潜ってしまう。デブは3度までなら炭水化物を連続摂取できるのだ。コレは得なのか、それとも損なのか。
    今回訪れた『なか房』もそんな3軒目である。いかにも地域密着型町中華といった風情の店構え。カウンターの向こうの壁には麺類だけでなく唐揚げ、丼、鍋、定食等の手書きメニューが所狭しと貼られているが、何せ3杯目なので大人しくラーメンのみを注文……したかったのだが、火曜日は焼き餃子が200円&ちょうど訪店当日と重なったのでそちらも注文(餃子も広義の意味においては麺類なんだよな……閑話休題)。サービスと思しき小皿の細切り大根のキムチを摘みながら待つ。
    やがて着丼したラーメンは、黄味がかった白湯の上にモヤシとネギ、そして豚と鶏の混交したチャーシュー、天辺に半割れの固ゆで味玉を頂かせた、他では見ない独自の一杯だった。見た目よりクセが無くあっさりしたスープと、チャーシュー麺かと見紛う量の肉、そして味変用のニラキムチ等でがっつり炭水化物(麺&飯)を食べさせるタイプ。コスパ、バリエーション共に目を見張るモノがあり、地元のニーズと共に発展を遂げてきた独自のテイストを感じる。
    途中、常連と思しき老夫婦が入店してきた。大将が「上手く漬かった」と先の大根キムチを多めに盛ってそれを迎える。この地、この店の日常が初訪の自分にとっては完全な異文化(アウェイ)、だがそれが新鮮で面白いから遠征は止められない。