• にくめしセット(1290円)

  • 2024年1月10日(水)

    一昨日は姫路出張に向かう途中で寄り道をしてこちらの店を初訪問。

    こちらはフレンチ出身の店主が約20年前に立ち上げたシンプルな中華そばがウリの人気店です。

    11時08分に到着すると、開店直後である事から先客は未だ疎らな状況です。

    着席して「にくめしセット」を注文すると、待つ事12分ほどで先にラーメンが到着です。

    醤油スープには背脂や刻みネギが浮いていて、細麺の上にはチャーシュー、味玉、穂先メンマ、海苔、笹切りのネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度でいて甘めな醤油ダレの風味と共に、シンプルでいて円やかな出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は鶏ガラとの事ですが、背脂から溶け出した脂質が影響してか、鶏のみならず豚も少なからず味わいを担っている様に感じます。

    一方、タレは醤油感と共に明確な甘味を与えてはいるものの、味醂らしき気配が強めな割には人工的な違和感は希薄である印象です。

    また、スープは豚脂由来の円やかなコクを帯びていて、それが醤油ダレの甘味と重なる事で味わいに底堅い奥行きが生み出されます。

    尚、クラッシック寄りな見た目に反し、化調が使われている痕跡は限りなく皆無に近い印象です。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が若干硬めに茹でられていて、緻密な麺帯の食感と共に無垢寄りな小麦の風味を感じます。

    そして、細麺にはスープが潤沢に絡み込み、小麦の甘味に溶けた油分のコクが調和する事で味わいにさり気ない膨らみが生まれます。

    次にチャーシューを食べてみると、豚肩ロースと思しき煮豚が薄切りにスライスされています。

    赤身はパサ付く事なく瑞々しい食感を保っていて、尚且つ下味が軽めである事から赤身の旨味や脂身の甘味が舌に存分に伝わります。

    また、笹切りのネギを麺に絡めつつ食べてみると、シンプルな味わいにネギの清々しさが加わる事で味わいが俄かに引き締まります。

    次に豚丼を食べてみると、醤油ダレで炒められた豚コマ肉と高菜が白米の上に盛られています。

    タレは若干甘めでいて平坦な味わいではあるものの、高菜や溶き玉子と共に食べる事で味わいにバラエティ豊かな変化が生まれます。

    食べ終えた感想ですが、関西らしい甘めな一杯ではあるものの、一切嫌味を伴う事なく極自然な味わいに纏められている印象でした。

    尚、甘めな味付けや立地を考慮すると、この一杯のモチーフは恐らく「播州ラーメン」である様な気がします。

    改めてこのエリアを訪れる機会があれば、次回は腰を落ち着けて「播州ラーメン」の老舗を可能な限り食べ歩いてみたいと思います。

    ご馳走さまでした。