• 中華そば(850円)

  • 金属加工業が盛んな新潟県の燕市・三条市界隈で、工場勤務のお客の声を聞きながら冬場の出前が冷めないよう考え出されたラーメンを燕三条系とも、また新潟背脂ラーメンとも称す。俗に言う新潟5大ラーメンの1つ。

    燕三条系では後発組だが、まずまずの人気店に通販があるのを知ってここから取り寄せ。ついでに最近買ったばかりのこれまた燕市製の中空のメタル丼、これに盛り付けて燕三条コラボを実食。

    スープは何しか量が多い。一般的なラーメンは300cc強だと思うが、その倍近い600ccほどもある。

    濃い醤油味と聞いていたが、子供の頃から尾道近辺の中華そばを食べつけていた私には、醤油はさほど濃いとは感じない。

    背脂が浮くというのも尾道と同様だが、大きさは極小。コロコロタイプが多い尾道とはタイプが違う。量も写真よりははるかに多く、スープ表面をびっしりと覆う。「チャッチャ系」の原型との説があるのもうなずける。

    動物系が中心の味わいで、煮干しも入ってはいるが青森のように主張は無く、ニボ系ではない。あくまでも下支え。

    出前でのびないようにとどんどん太くなったとされる麺だが、ここのものは極太とまではいかずやや太めの自家製ストレート麺。とはいえ茹で時間はさすがの7分。見た目の太さほど強い食感ではなく、モッチリ系でうまい。茹で前175gと量も中華そばとしてはかなり多い。

    添付のメンマは味付け適度で柔らかめ。もう少し食感強めのカリコリ系でも合うかも。バラの巻きチャーシューが1枚。やはり味付け適度でやや厚めの食感しっかりめ。

    岩のりが載る店が多いようだが、スープを吸っても食感はしっかりとしたままで、ほのかな磯の香りが良い。燕三条系にはほぼ必須といえる刻み玉ねぎは、手持ちを水で晒して準備。これまたやはりよく合う。

    麺もスープも多めなのだが、カエシが尾道の中華そばほど強くはないので、結構順調に食べ進められる。背脂も見た目とは裏腹にキツくも重くもない。

    初登場のメタル丼は該店も使用しているそうだが、中空構造のメリットは体感できなかった。冬場に再確認したい。

    多いかと思った麺もつるりと完食し、小盛りのご飯に穴開きレンゲで集めた背脂と玉ねぎを載せ、スープをかけて〆ライス。思いのほか食べやすい一杯だった。ご馳走さま。