• 特製つけ蕎麦(1400円)

  • 2021年10月10日(日)

    昨夜はニボ美と一緒にこちらの店を約半月振りの訪問です。

    前回は目当てのつけ麺が売り切れだった為、今回は必ず食べる為に開店前から待つ事にしました。

    開店の1時間27分前に到着すると、当然の事ながら店の前に待ち客は誰も見当たりません。

    開店と同時に店内に案内され、私は目当ての「特製醤油つけ蕎麦」、ニボ美は「醤油つけ蕎麦」の食券を購入しました。

    そして、食券を渡して席に着くと、待つ事25分ほどで待ち焦がれていたつけ麺が遂に到着しました!

    緩やかに縮れた平打ち太麺は淡い桜色の出汁に浸されていて、その上には揚げた桜海老と共に少量のキャビアが添えられています。

    一方、醤油スープには分厚い油膜が浮いていて、別皿にはチャーシュー、穂先メンマ、ツミレ、味玉、櫛切りレモン、ホウレン草、刻みネギが乗っています。

    尚、別の小皿には粗めに摺り下ろしたトロロが注がれていて、卓上に置かれた説明書では途中で麺に混ぜる食べ方を勧めています。

    先ずは麺を食べてみると、多加水寄りの太麺が適度な硬さに茹でられていて、グルテン化した小麦粉の風味と弾力を見事に兼ね備えています。

    一方、麺を浸している出汁は鴨に桜海老や昆布との事ですが、粘度や塩味を帯びつつも桜海老の香ばしい風味を鮮明に押し出した味わいです。

    次にスープを飲んでみると、生醤油の香ばしい風味や強めな塩味と共に、緻密なコクを帯びた鴨の味わいが舌に存分に伝わります。

    出汁は鴨や昆布に椎茸や蟹との事ですが、様々な風味が巧みに介在する事で主体を占める鴨の輪郭が一際鮮明に浮かび上がります。

    そして、麺をスープに漬けて食べてみると、鴨と桜海老の香ばしさが重なる事で、嘗て経験した事の無い鮮烈な味わいを生み出します。

    一方、鴨脂の油膜で熱々に保たれたスープが麺に熱を与える事で、小麦粉の持つ風味や甘味が自らの輪郭を極めて鮮明に映し出します。

    次に刻みネギを加えて食べてみると、ネギ特有の香味や甘味が重なる事で鴨が主体の重厚な味わいに見事な奥行きや広がりを与えます。

    そして、チャーシューを食べてみると、前回の「鴨出汁中華蕎麦」でも使われていた鴨胸肉のスモークチャーシューとパストラミです。

    今回のレビューでは詳細な説明を省きますが、こちらの鴨チャーシューは類稀なると言っても過言でない極めて素晴らしい味わいです。

    一方、後半で麺にトロロを混ぜてみると、鴨や桜海老の香ばしさが包み込まれる事で、一気に円やかな味わいに変貌を遂げる印象です。

    そして、最後に味玉を食べてみると、燻煙の香味と共に仄かな甘味を帯びていて、ゼリー状に仕上げた黄身のコクや旨味が舌に存分に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、数々のギミックが味に見事な変化を与えていて、期待を一切裏切る事のない極めて素晴らしい味わいでした。

    ただ、最初に戴いた「鴨出汁中華蕎麦(醤油)」があまりに素晴らし過ぎて、残念ながら前回を上回るほどの衝撃や感動を得るまでには至りませんでした。

    尚、ニボ美は「特製鴨出汁中華蕎麦(醤油)」と「カレーつけ蕎麦」を絶対に食べたいとの事でした。

    と言う訳で、年内に最低でもあと2回は訪れる事になりそうです(笑)

    ご馳走さまでした。