向寒の候、越冬の準備に差し掛かる今日この頃ではあるが、男の気分は比較的明るかった。
さながら秋の澄んだ空模様の如く、新しいものごとに何か挑戦出来そうな、そんな1日の始まりだった。
学生の時分に足繁く通っていた聖蹟桜ヶ丘のとある店に行くことができると踏んでいたからに違いない。
それは決して郷愁に近しい感情では無い。
男はこの街には時たま車で通ることがあった。がしかし機会に恵まれず、とある店に行くことは叶わなかったため、その機会を粛々と待ち望んでいたのである。
いざゆかん。
駅につく。
改札をぬけ、懐かしい道をひた歩く。
が、その店は無くなっていたのだ。
調べてみると、2025年の年度末に閉店となった様だ。
失墜した気分になる。どんより雲の、忙しない季節に気がつく。
「啜る」行為はしよう。そう思ってこの店に入った。
ここは昔からラーメン屋であるが、何度かお店が変わっていた様に思う。半ば脳死状態で中華そばの「こってり」を注文した。
嗚呼、意外とあっさりだ…。だが、美味い。
しっかりと味のコンセプトがわかる。
スープが絶妙であった様に思う。
男は口を拭いながら仕事に向かったのだった。
こちらはあまり濃い口でなく、細中華麺好きな方へはお勧めしたいお店でした!背脂も浮いてます!ニンニクもついてきます!お肉も美味しかったですよ!
仕事前にも食べれるラーメン。
つけ麺もある様です。
是非いかがだろうか。