10時42分店着。待ちはないが、満席。なお、10時30分オープン。従業員さんが揃うのは11時ごろのようで、それまでは店長のワンオペらしく忙しそう。それでもいい感じに回しててさすが。
スープがあまりに熱くて、まず舌の細胞が焼け死ぬ。油の膜が温度を閉じ込めて、人間が食べられるギリギリの熱さを保ち続ける。味噌はあんまり濃すぎない。しつこくない。例えば、にんにくもバチバチに効いているようなもっとガッツリした超濃厚な味噌ラーメンという感じではない(すみれ系と聞いて、そんなのを想像していた)。そこと比較して素朴という評価もありうるが、床やテーブルがヌルつくほど相当な油。いろいろ言ったが、ひとことでいうと、「これが札幌」。
麺は縮れているだけでなく、もちもちでめちゃくちゃ伸びる。案の定、スープを絡めとる形状をしており、悪魔のような熱いスープの補助役として申し分ない戦力となっている。麺自体の味も穏やかな感じでスープが主役とも言えるこの店の味噌ラーメンを、この麺はわかっている。
コロチャー拾いに夢中になりつつ、お前入っとったんかいというもやしに遭遇したりしつつ、君臨している海苔を挟み、生姜を溶かすタイミングに迷い右往左往しつつ、ネギも結構入っているなと感心して、もちろんコロじゃないチャーシューを食べて…と忙しい。そんなことしている時間が経過してなお、スープは熱くて、口の中が痛い。
口の中をまずやけどして、そして、舌の感度が落ちるとともに、予想よりもガッツリしていない味噌スープを提供することにより、
まるでとんでもなく寒い寒い北の大地で、ダウンも脱がず、ニット帽を被ったまま、顔の、口の、舌の感覚もない状態で、鼻水が垂れていることも気づかないまま、アッツアツの、味噌ラーメンを啜っているような感覚に陥り、これはまさに全て計算ずくの「サッポロ」。
店の中には札幌がありました。
ごちそうさまでした。でっかいどう。