• せたが屋らーめん(1050円)

  • 2020年10月24日(土)

    昨夜は締め括りにこちらの店を訪問しました。

    HPで20周年を期に力強く変えたと記されたスープを味わいたくて今回訪れてみました。

    開店の20分前に到着すると、店の前に待ち客は見当たらないものの、その直後にポツポツと客が集まり始めました。

    そして、開店と共に「せたが屋らーめん」の食券を購入し、店員さんに渡してカウンター席で待つ事3分ほどで待望のラーメンが到着です。

    茶褐色に濁ったスープに若干縮れた中太麺、その上にはチャーシュー、メンマ、味玉、ワンタン、海苔、あおさ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、酸味を帯びた乾物魚介の軽やかな風味と共に、様々な旨味が一体となった穏やかな味わいが口の中にジワリと染み渡ります。

    出汁は鶏や豚による動物系に乾物魚介や昆布が主体の魚介系と思われますが、乾物魚介を押し出しつつも動物系や昆布が味の土台を堅実に担っている印象です。

    また、乾物魚介を押し出しつつも煮干しの雑味はほど良く抑えられていて、醤油ダレの風味や塩味も主張を控える事で全体として纏まりのある味わいを生み出しています。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの中太麺が適度な硬さに茹でられていて、小麦粉の風味には些か欠けるもののムッチリとした弾力のある歯応えを感じます。

    ただ、穏やかな味わいのスープに対して中太麺では相性に欠けていて、しかもスープを吸収し難い多加水麺である為にその相性は終始一貫して変わりません。

    次にチャーシューを食べてみると、厚めにスライスされた皮付き豚バラ肉の煮豚が直火で丁寧に炙られています。

    肉厚でありながらも赤身が簡単に崩れるほど柔らかく煮込まれていて、噛み締めると炙った豚肉の香ばしい風味と共に脂身のコクや甘味が舌に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、スープの味に関しては以前とさほど違いは感じられず、今や巷に溢れる魚介豚骨系に比べると未だ力強さに欠ける印象が否めません。

    因みに、私個人的にはこのアッサリ味のスープは決して嫌いではありません。

    ただ、このスープを使うのであれば麺との相性を徹底的に高めるか、或いは麺自体の風味を一層高めないと総合的な味わいとしても印象に欠けてしまいます。

    一方、他の客の多くの方は「魚郎らーめん」を食べていて、現在は寧ろそちらが主力メニューである印象すら受けます。

    改めて訪れる機会があれば、次は私も是非「魚郎らーめん」を試してみたいと思います。

    ご馳走様でした。