• 味噌(800円)

  • 2022年2月18日(金)

    昨夜は「つけめんTETSU」を出てから2軒目にこちらの店を初訪問。

    関東における札幌味噌の先駆け的な存在である創業53年の老舗です。

    尚、私は30代前半に今は無き西早稲田の本店を一度だけ訪れた事があります。

    ただ、当日は知名度の高い人気店ではあったものの、若かりし頃の私には極めてチープな味わいにしか感じられませんでした。

    しかし、私も50歳を超えてある程度は舌が鍛えられた事から、今改めて食べるとどの様に感じるのか試してみたくなりました。

    18時40分に到着すると、店内の席は8割程度が埋まっている状況です。

    尚、客層は50代以上が大半を占めていて、殆どの方がメンマを摘みつつビールを飲みながらラーメンの到着を待っていました。

    席に着いて「味噌」を注文すると、待つ事8分ほどでラーメンが到着です。

    薄ら濁ったスープには僅かに擦り胡麻や一味が浮いていて、中太縮れ麺の上にはチャーシュー、炒めたモヤシと玉ネギ、メンマ、ワカメが乗っています。

    尚、作り方は野菜を炒めた中華鍋にスープを加える札幌スタイルですが、所謂「純すみ系」に比べると油の量が極めて少なめに抑えられている印象です。

    先ずはスープを飲んでみると、赤味噌の発酵臭を結構強めに感じるものの、私には嘗て本店で食べた時よりも一段とチープな味わいである様に感じます。

    味噌ダレは至って薄らと効いていて、塩味も足りなければ出汁の奥行きにも些か欠けている印象です。

    また、出汁は豚骨主体の白湯の様ですが、炒めた野菜と合わせた割には野菜の甘味がさほど感じられません。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの中太麺が適度な硬さに茹でられているものの、スープが優し過ぎて中太麺では些か相性に欠ける印象が否めません。

    あまりに味気無いので卓上の豆板醤とニンニクを入れてみたものの、土台が弱い事から今度は豆板醤とニンニクに味わいの大半が支配されてしまいます。

    食べ終えた感想ですが、時を経て良さが理解出来るどころか、寧ろ更に良さが分からなくなったと言う極めて残念な結果に終わりました(汗)

    味噌は時代と共に濃厚な方向に進化している事から、時が経つに連れて昔のシャバい設計では最早満足感が得られ難くなっている様に感じます。

    一方、常連らしき客で溢れている店内の様子からは、この味が依然として根強く支持されている事が手に取る様に伝わります。

    この味が今後も一定の支持を集める事で、我々の青春である昭和時代の味や暖簾が脈々と受け継がれる事を切に願っています。

    ご馳走さまでした。