THE.昔ながらの中華そば

友愛亭の前を通りかかったら、限定メニューの張り紙が目についた。それに誘われてふらふらと入店してしまう。３時間前に《ここだけ》の牛すじ麺を平らげたばかりだが……単品一杯くらいなら入るだろう。
すっきりした鶏ガラ醤油に香味油を浮かせた、名前に偽り無しのオールドスクール系中華そば。そのバランスの良さと再現度の高さが、スープを口に含んだ瞬間から舌をノスタルジックな世界に誘う。そうそう、この感じ。令和の今となっては潜る暖簾を探すよりも、インスタントか冷凍で近しい味を求めた方が近道になりそうな昭和的な醤油味。トッピングも基本のまま、チャーシュー２枚と少量のネギ、海苔にシナチク、ナルト……そんな中で目を引くキクラゲ。刻んでいない物を使用しているので、歯ざわりが一層に新鮮なアクセントになる。店主が薦める通り、ブラックペッパーではなくS&Bのテーブルコショーで味変するとノスタルジアが極まる。これこれ、この辛さ。何やらチャルメラも聞こえてきた（幻聴）。