• ラーメン(800円)

  • 2022年2月19日(土)

    本日は豚骨好きなラー娘と一緒にこちらの店を初訪問。

    こちらも先日訪れた「平大周」と同様に「土佐っ子ラーメンなすび」出身の方が元祖創業の地で開業した店との事です。

    ただ、店主は創業者が退いた後の「なすび」の味ではなく、あくまでも創業者が営んでいた頃の絶頂期の味を目指している様です。

    13時28分に到着すると、店内には先客が僅か1名のみの状況です。

    席に着いて2人共「ラーメン」を注文すると、待つ事5分ほどで待望のラーメンが到着です。

    スープの表面は大量の背脂で覆われていて、中細麺の上にはチャーシュー、メンマ、スライス茹で玉子、刻みネギが乗っています。

    尚、厨房の様子を見た限りでは、先日の「平大周」と同様に醤油ダレを混ぜない嘗ての「土佐っ子ラーメン」の作り方を忠実に踏襲しています。

    先ずは上澄みのスープを飲もうとしたものの、背脂が多過ぎてスープだけを掬い取る事は不可能な状況です。

    仕方がなく背脂と一緒にスープを飲んでみると、背脂の澄み切ったコクや甘味と共に一切臭みを伴わない豚骨出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は豚骨に根菜類と思われますが、豚骨は骨髄よりも肉のエキスが強めに効いていて、根菜類はニンニクの風味や甘味が大半を占めています。

    次に麺とスープを混ぜ合わせてから再びスープを飲んでみると、タレが広がる事で醤油の風味が増すと共に塩味が丁度良い塩梅に落ち着きます。

    ただ、先日の「平大周」よりも一段と背脂が増している為に、混ぜ合わせるに連れて背脂が溶け込む事でスープが殆どペースト状に変わります。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの中細麺が若干柔らかめに茹でられていて、尚且つ醤油ダレを存分に吸い込む事で漆黒色に染まっています。

    そして、麺には粘度を強く帯びたスープが強烈に絡み込み、麺に染みた醤油の塩味と背脂の甘味が重なる事で味わいに絶妙なパンチを与えます。

    前回「平大周」でも思った事ですが、麺は小麦の風味を与えると言うよりも寧ろ醤油の角を立たせる為の媒体として使われている様に感じます。

    次にチャーシューを食べてみると、醤油ダレが染みた豚バラ肉の煮豚が適度な厚みにスライスされています。

    肉質はホロホロになるまで煮込まれていて、噛み締めると染みた醤油の風味が背景となる事で脂身のコクや甘味が舌に極めて鮮明に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、構成は「平大周」と殆ど同様ではあるものの、些か背脂に寄り過ぎていて食べ進めると共に次第としつこさが増します。

    今回で「土佐っ子」の流れを汲む都内の店は概ね回り切った為、今後は「弁慶」等の違った系譜も視野に入れつつ是非回ってみたいと思います。

    ご馳走さまでした。