• 中華そば(780円)

  • 2021年1月23日(土)

    本日はTRY新人賞しょうゆ部門1位に輝いたこちらの店を初訪問。

    11時46分に到着すると、店の前では1名の先客が入店待ちの状況です。

    外で待つ事6分ほどで店内に案内され、先ずは「中華そば」の食券を購入しました。

    そして、店内で待つ事16分ほどで席に案内され、店主に食券を渡してから更に待つ事6分ほどでラーメンが到着です。

    微かに曇った醤油スープには刻みネギと鶏油が浮いていて、手揉みで強く縮れた中太麺の上にはチャーシュー、メンマ、ナルト、小松菜、海苔が乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、軽やかな醤油の風味や塩味を感じると共に、濃密でいて円やかな鶏のコクや旨味が口の中に広がります。

    出汁は鶏ガラやモミジ、豚のゲンコツや背ガラに昆布との事ですが、私個人的には鶏油のコクが極めて緻密に溶け込んだ味わいに感じます。

    ただ、鶏油の風味が強めではあるものの、浮いている油自体は少なめに留めている為に、油っぽさやしつこさは不思議と殆ど感じられません。

    次に麺を食べてみると、縮れた多加水麺が柔らかめに茹でられているものの、熟成を与えている割にはコシや歯応えに些か欠ける印象です。

    ただ、多加水麺の割にはスープが存分に染み込んでいる為に、口に運ぶと鶏の旨味と麺の甘味が混ざり合う事で味わいに極めて深い奥行きを与えます。

    尚、麺の短さが些か気になったものの、啜らず噛ませる事でスープの染みた麺の味わいを堪能させる為に敢えてストロークを短くしている様に感じます。

    次にチャーシューを食べてみると、醤油ダレで浅めに味付けされた豚腿肉の焼豚が若干薄めにスライスされています。

    赤身は燻煙の香ばしい風味を適度に帯びていて、噛み締めると緻密な肉質の歯応えを感じると共に、赤身に凝縮された豚肉の旨味が舌に素直に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、想定を遥かに超えた素晴らしい味わいで、最近では滅多に感じないほどの強いインパクトを受けました。

    また、モチーフは確かに「白河中華そば」であるものの、鶏油が緻密に溶け込んだコクの効いた味わいは唯一無二の存在感を放っている様に感じます。

    改めて訪れる機会があれば、次回は「ワンタン麺」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。