• ラーメン(小)(580円)

  • 実家は近年京都において「ラーメンストリート」との異名を持つ一乗寺に近い。それはラーメンが安かった時代にYOASOBIした貧乏学生が、なけなしの身銭を切ってもまだ懐に優しかった食べ物だった時代に、下宿の多いこのエリアで温かく迎え入れられたのであるが、近年一乗寺の状況は大きく変化し、先ず少子化の影響なのか学生が少ない。また、ラーメンが高くなった。と言う事で昔の熱気はやや警鐘を鳴らしたいレベルになっている。その為、祇園や木屋町で煤けた自分としては帰路にしっかりと意識を保ち、自宅の近くの一乗寺でラーメンを食べるのだ。と強い地元愛を持って生活をしているのであるが、そう言った感覚は簡単にアルコールと共に弛緩し、タクシーに乗る気力の無いまま深夜に駆け込むのがこのラーメン横綱三条河原町店である。店内に入ると、だってそう言う位置なんだもん、と言う自信のある掛け声が大きく鳴り響く。そこにはゾンビのようなサラリーマンや、気づけば貴族化している学生達が春の円山公園と言わんばかりに騒いでおり、ただただ意識の無い自分は緑黄色野菜を摂らねばと九条葱を円柱として小さい器に建立させるのである。580円。ニントンは正義。ご馳走様でした。