• 全部入りあっさりつけめん(1290円)

  • 昨夜は会社帰りに寄り道をしてこちらの店を初訪問。

    18時31分に到着すると、店内には若干空席が見当たる状況です。

    店内に入って「全部入りあっさりつけめん」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと待つ事7分ほどでつけ麺が到着です。

    冷水で締めたストレート中細麺は昆布水に浸されていて、その上には薄切りチャーシューと半身に切った味玉が乗っています。

    一方、琥珀色のスープには一面に微塵切りのネギが浮いていて、その中には大振りなワンタンと共に小松菜が仕込まれています。

    先ずは麺を食べてみると、低加水寄りの中細麺が若干硬めに茹でられていて、靱やかなコシや歯応えと小麦粉の風味をバランス良く感じます。

    また、昆布水は仄かな塩味と煮干しらしき風味を帯びていて、尚且つ粘度が緩めである事から昆布と魚介の出汁を合わせている様な気がします。

    次にスープを飲んでみると、白醤油の与える僅かに強めな塩味と共に、仄かな酸味や甘味を帯びた出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は煮干しや昆布が主体と思われますが、煮干し特有の雑味を一切伴う事なく純粋な風味だけが極めて緻密に存在している印象です。

    一方、スープは「にし乃」の流れを汲んでいるとの事ですが、以前「にし乃」のスープに感じた動物性の風味や後味は何故か殆ど感じられません。

    強いて言うと香味油から動物性と思しき風味を感じるものの、大量に浮いたネギの風味が混ざる為に油だけの味を確かめる事は出来ませんでした。

    そして、麺をスープに漬けて食べてみると、昆布水を纏った麺にスープやネギが絡む事で、味わいに複雑さが増すと共に一段と深い奥行きを与えます。

    尚、スープが昆布水で薄まったらタレを加える様に勧められたものの、タレで補充が必要なほどの塩味不足は完食を迎えるまで感じられませんでした。

    次にチャーシューを食べてみると、低温調理で仕上げた豚肩ロースのレアチャーシューがスライサーで極めて薄めにスライスされています。

    味付けは極軽めに留められていて、歯応えにレア肉特有の食感を感じると共に、肉質の味わいや脂身の甘味が舌に極めて素直に伝わります。

    次にワンタンを食べてみると、肉ワンタンには挽肉が緻密に包まれていて、海老ワンタンには小海老の剥き身が数匹纏めて包まれています。

    肉ワンタンの挽肉には生姜の風味が結構強めに効いていて、噛み締めると肉汁が存分に滲み出ると共に豚肉のコクや旨味が舌に濃密に伝わります。

    一方、海老ワンタンは極軽めに味付けされていて、噛み締めると弾力に満ちた歯応えを感じると共に海老の味わいが舌に極めて素直に伝わります。

    最後に味玉を食べてみると、黄身はゼリー状に仕上がっているものの、甘味が強めに効いている為に黄身の味わいが些か舌に伝わり難い印象です。

    食べ終えた感想ですが、多彩な風味が見事なバランスで配分されていて、店主の技量が伺える素晴らしい味わいだったと思います。

    正に写真から想像した通りの味わいで、食べるまでに高まった期待を一切裏切らない味わいでした。

    改めて訪れる機会があれば、次回は「白だしワンタン麺」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。