• 冷やしとりそば(1000円)

  • うだるほど暑い猛暑日やしっかり目の雨の日に限って、
    めったに入らない客先訪問が入ることでお馴染みの僕。

    その例に漏れず炎天下の日の、
    客先アポイント後12時半の台東区某所。
    かねてより狙いを定めていた宿題メニューを食べるに、
    舞台整えりということであろうか(別にないと思う。)

    気になっているのが15杯のみという杯数制限。
    暑さもあって、まるで世論が開会直前のオリンピックの、
    空前絶後のグダグダっぷりに嫌気がさしていた頃の、
    大谷翔平の如く大人気になることが予想され、
    15杯などあっという間に完売してしまう懸念があった。
    その場合に何にこの心を満たしてもらえば良いのか。

    到着見込みが13時頃、なるべく間に合いたい一心で急ぐ。
    心配性で2台持ってきたPCが重い、そして暑い。
    ほうほうの体で店に着く。並びは1名。

    祈るような気持ちで券売機のお目当てのボタンを見る…
    『冷やしとりそば…あるッ!』
    身体は冷やしても空気まで冷やさないように
    心の中でガッツポーズを作り、
    然るべきタイミングで食券を購入して提出。

    謎の臨場感をお楽しみいただいたところでラーメンの話。
    迫力満点の具材がどっさり乗って、
    涼し気なガラスの器で提供される一杯。
    見てるだけで気温が下がった気がする(まず気のせい。)

    スープはスープと呼べるのか迷うが、
    麺を凍らさんばかりの勢いでシャーベット状になっており、
    どこまでも涼を届けてくれるような仕上がり。

    ジュレも含め和風の印象で紫蘇などの風味も重なり、
    夏にピッタリの爽やかな味わいが嬉しい。

    麺は平打の艷やかな麺で、キンキンに冷えて
    締まっており冷やし特有の食感を楽しめる。
    一気に啜るのは難しいけども新鮮な体験である。

    具材は語り尽くすと氷も溶け切ってしまいそうだし、
    時々ラインナップが変わるそうで一期一会感もあるので、
    印象的なところをかいつまむと、煮浸し的ナスから
    染み出すつゆや、薄切りの鶏チャーの風味がたまらない。
    なめこやトマトのアクセントも秀逸のひとこと。

    レモンで変化をつけつつ
    最後まで冷たいままあっという間に完食完飲。

    冷やしという特性上、限定になりがちだが
    安定した人気を保ち続けるのも納得である。