• ラーメン(700円)

  • 2023年5月14日(日)

    本日は浅草まで出向いて念願であったこちらの店を初訪問。

    こちらは創業73年目を迎える老舗であり、母体となる製麺所の創業は何と明治43年との事です。

    開店25分前に到着すると、店の前に待ち客は誰も見当たらない状況です。

    開店と共に店内に案内され、着席して「ラーメン」を注文すると、待つ事5分ほどでラーメンが到着です。

    透明な醤油スープには油滴が煌めく様に浮いていて、縮れた中太麺の上にはチャーシュー、メンマ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、穏やかに効いた醤油の風味や塩味と共に、シンプルでいてクリアな出汁の旨味が口の中に広がります。

    出汁は豚主体の動物系に根菜類と思われますが、淡麗寄りな味わいである割には素材の輪郭がシャープに保たれている様に感じます。

    一方、醤油ダレは仄かに加糖的な甘味を帯びてはいるものの、無垢な醤油の持つ膨よかな風味を限りなく素直に与えている印象です。

    尚、レンゲがない事から油分の味見は出来なかったものの、スープを味わう限りでは鶏の旨味も僅かに介在している様な気がします。

    次に麺を食べてみると、多加水寄りの中太麺が適度な硬さに茹でられていて、モッチリとしたコシと共に清々しい小麦の風味を感じます。

    そして、手揉みで縮れた中太麺にはスープが潤沢に絡み込み、スープの塩味が背景となる事で小麦の甘味が一段と鮮明に輪郭を現します。

    次にチャーシューを食べてみると、小さめに切り分けられた豚肩ロースの煮豚が厚めにスライスされています。

    赤身はパサ付く事なく柔らかな弾力を保ってはいるものの、肉汁が若干抜け気味である事から肉質の旨味が些か舌に伝わり難い印象です。

    食べ終えた感想ですが、70年以上も前から提供されていたとは思えないほど古さを感じさせない味わいでした。

    一方、私が事前に思い描いていた老舗ならではの味わいからは極めて掛け離れている印象が否めませんでした。

    改めて訪れる機会があれば、メニューを見て若干気になっていた「タンメン」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。