• Ra-men 山椒 白醤油(800円)

  • 変わった生い立ちの店である。
    全てネットで調べた情報なので間違いあったらご容赦ください。
    2015年6月「麺処 きなり」として駒込にオープン。
    2018年5月に駒込を離れ、東中野にあったフレンチレストラン「bistro trios trios 33(ビストロトワトワ)」のオーナーと、トワトワのあった場所に共同出店という形で「メンドコロ Kinari」を再オープン。
    2018年9月、創業者・土橋氏が東中野の共同経営者にレシピを譲り、新たに新所沢で「中華そば きなり」をオープン。

    2018年、2019年とビブグルマンにも選出されたそうで、お店の内部事情をとりまく環境は、当事者だけでなく、さまざまなドラマがあったに違いない。

    上記の事情を知らずに行ったのだが、思えば不思議なことはいくつかあった。
    Ra-men屋さんなのに、キッチンにはスパイスの缶や洋酒が並んでいたし、スープをはじめ、味は素人でもわかるくらい間違いなくおいしいのだが、チャーシューの冷たかったり、忙しい時間帯だったからなのか、ん?と思う部分もあった。こちらの期待度が高すぎたのかもしれない。

    それらは生い立ちを知って納得した。

    味を引き継いだ東中野オーナーの両肩にのしかかる、ビブグルマンという世界的な評価の重圧とはいかほどなものだろうか。

    音楽に例えるなら、UKのハードコアバンド「ナパーム・デス」、同じくUKプログレバンドの雄「Yes」、日本のロックだと「WANDS」か。
    結成時のオリジナルメンバーがいなくなっても、当時の名曲を演奏し続ける気分に似ているのか。あるいはクリカンとか。知らんけど。

    きっと店主は日々悩みながら重圧に耐えて頑張っている。決してポジティブな言葉で飾られていないtwitterを見ても、店主のプレッシャーを(勝手に)感じる。

    ただ店主のホスピタリティだけはとても心地が良い。風通しの良いカフェのような店内で、細かな気遣いを感じる接客の中、ラーメンを食べる。それだけでも付加価値はあるので、それも含めて今でも愛され支持されているのだろう。