• ラーメン+ライス(950円)

  • 一昔前に足繁く通った家系ラーメンのお店。
    今日は同期とボウリングの帰りに来店。

    「8年ぶりのボウリングで3ゲームを完投したし、ライスを頼んでも問題ないだろう。」

    と、どんな言い訳をしても、
    家系ラーメンとライスは二つ揃って完成するもの。説得力なんてものはない。

    着丼していないのにも関わらず、
    卓上に広がるニンニクや生姜、豆板醤のアメニティが嬉しい。
    大人になってからは、ファミレスのドリンクバーなんかよりもこっちのほうがそそられる。

    久しぶりの家系ラーメンに緊張しながら待っていると、その時はすぐに訪れた。

    「醤油並麺硬め脂多めのお客様〜」

    まるで自分の実名を呼ばれているかのようで少し恥ずかしい。
    迷わず手を挙げ、丼を迎え入れる。

    あぁ、これだ。

    挨拶のスープを啜る。
    咄嗟の「ただいま」という発言を堪えながら、冷静な面持ちで麺に移行。

    コシのある家系ラーメンの麺を噛み締め、箸はすでに米を掬う。
    あっという間に口の中は炭水化物の満員電車だった。

    うますぎた。
    わずかに冷静を取り戻すと、やたら丁寧にほうれん草や海苔で米をラッピング。
    届け出先はどうせ自分の口なのに、ここだけは譲れない。

    家系の嗜みをしていると、あっという間に米は消えていった。

    だが、焦る必要なんてなかった。
    100円の頭金を払えば、セルフサービスの炊飯器への出入りが許されるのがここの掟。

    ここ一番の起立で炊飯器へ向かう。

    小柄な茶碗に似つかぬ大盛りの米を盛り付け、丘を形成した。

    ここからは同じ繰り返しだが、スープだけが寂しげに残ってしまった。

    かつての自分ならば、2度目のおかわりに立ち上がるはずなのに、同期の前ではお洒落に1おかわりで済ましてしまった。

    思春期かな。