• ラーメン(700円)

  • 2022年10月16日(日)

    本日は前々からの宿題であったこちらの店を初訪問。

    こちらは「鳥取牛骨ラーメン」発祥とされる創業76年を迎える老舗です。

    開店の1時間ほど前に到着すると、店の前に待ち客は誰も見当たらない状況です。

    開店と共に店内に案内され、席に着いて「ラーメン」を注文すると3分ほどでラーメンが到着です。

    薄らと濁ったスープには分厚い油膜が浮いていて、艶やかな中細麺の上にはチャーシュー、メンマ、モヤシ、刻みネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、至って軽やかな醤油の風味や塩味と共に、淡麗でいて円やかな動物出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁からは確かに牛骨の気配を感じるものの、味わいに占める牛骨の割合はかなり弱めである印象です。

    自ら味わう限りでは寧ろ豚骨が味わいの主体を占めていて、尚且つ慎重に味わうと鶏の旨味も若干ながら介在している様な気がします。

    尚、スープに浮いた油を若干掬って味見してはみたものの、やはりヘッドではなく寧ろラードで圧倒的に占められている様に感じます。

    一方、スープの塩味は至って控えめではあるものの、その割には無垢な醤油の与える膨よかな風味が素直に映し出されている印象です。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの中太麺が硬めに茹でられていて、粘りを帯びた歯触りと共に極めて鮮明な小麦の甘味を感じます。

    ただ、硬めな麺と優しいスープの組み合わせである事から、両者の相性に欠ける事で味わいの相乗効果が生み出され難い様に感じます。

    次にチャーシューを食べてみると、かなり小振りな豚腿肉の煮豚が適度な厚みにスライスされています。

    ただ、肉質は固くパサ付いている上に旨味が殆ど抜けていて、昔ながらのラーメンでは頻繁に見掛ける出汁殻の様なチャーシューです。

    食べ終えた感想ですが、今まで食べた数少ない牛骨系の中でも格段に牛骨感が希薄である様に感じました。

    後から調べてみた所、こちらの初代は満州からこの味を持ち帰ったそうで、しかも本場では牛骨以外に豚骨も使っているとの事でした。

    このラーメンのルーツを知った事で、今回食べた味わいの意味合いが若干ながら理解出来た様な気がします。

    改めて訪れる機会があれば、次回は牛骨系では滅多に見掛ける事のない「チャンポン」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。