• 桜海老らーめん

  • 銀座松屋から徒歩30秒。篝さんの跡地に「鯛らーめん」ま石さんが入ったというので行ってみました。

    ここは値段先行というか、ウニとか載せたフルセットで2500円といった金額が一人歩きしています。でも考えたらここ銀座のど真ん中ですもんね。それくらいする場所が日本にあってもいい気はします。

    (銀座Apple前は中国人が大行列。うるさいのですぐわかります。あの新機種なんでしょう。大きすぎるのもどうでしょうね。イギリスでは大きすぎるスマホは女性差別だ、なんて言っててそれはさすがにおかしい気が。。)

    さて、カラカラと木の扉をスライドすると居抜きでコの字型の白木のカウンターはそのまま。厨房は和食の調理服なのでいい後釜が入って良かったなぁ、なんて。ブライトなピアノジャズのかかる店内。

    オーダーは「桜海老で」と言えば、ベースが鯛スープなのでそれで通じます。前菜がわりにお猪口にスープを入れてくれます。美味しい。

    驚きは生姜。細い生姜の代名詞は針生姜ですが、これはカンナで削ったものを細く切ったかのよう。変な喩えで言えば靴の中敷。

    でもこれが噛むとしっかり生姜。これ以上太い生姜だと生姜が勝ちすぎる気がするのでこの差配は絶妙だと思います。

    しばらくして丼が来て中には桜えびがいない。でも慌ててはいけません。後から揚げたての桜海老のかき揚げがやってきて、

    「じゅわっ・・・」

    調理服の揚げ師が菜箸で油 to スープ。かき揚げが堪らず音を立てます。音まで美味しい。

    しかし急いでメンマと鶏チャーシューの筏(ikada)の上にサルベージします。こんな揚げたてをまるっと浸すことはない。

    実際、桜海老はそれだけ食べても美味しい。しかもこの桜海老、3cmと大粒です。こんなのなかなか食べられない。季節でサイズ変わるかもですが、今は良いですね。(鯛らーめんと桜海老の差額はたったの300円。焼売なんて食べてる場合じゃない笑)

    桜海老に口中占拠されましたが鯛スープも美味しい。既に表面が軽く固まり虹色の皮膜が出来ています。麺を食べると、

    「あれ、これはいにしえの吉祥寺は一二三そばに似ている。。」

    そう、残念ながらなくなってしまった一二三そば。あれも単価は高かったけれども鰯かな、魚が凄い使ってあって表面が皮膜だらけになった。そこも似ていれば、スープと麺の感じも何となく似ている。その一二三そばが好きだったのでここのラーメンも好きですと。

    メンマは真四角の筍がお出汁で炊いたもの。スープの中から取り出してもコリコリのメンマを食べるとお出汁の味がします。これも素敵。鶏チャーシューも薄めで厚さは丁度いい感じ。ふつに美味しい。

    スープを名残惜しく飲むと生姜だけでなく柚子皮。良いですね。

    いにしえの一二三そばを思い出して個人的にはラーメン自体が好き。また、桜海老はとても300円という金額に見合わない逸品。メンマも好きです。帆立や雲丹など載せものは他にもありますが、桜海老は先ず、おすすめ出来ます。