• 醤油一枚(900円)

  • 【化学調味料の魔力】
    最近は2年の失われた時間を取り戻す作業に従事している。
    今日は無化調とは対極の位置にありながら、蠱惑的な魅力を放つ「天竜」だ。
    客の殆どが「○○一枚!」というオーダー。
    分厚いチャーシューを一枚と称してオプション注文するのが、この店の常連スタイルだ。
    スープ・チャーシューの味付がバッチリ化調で極められたその味は、強制的に脳に「旨い」信号を伝えてくる。
    ただ、それがイイ。
    平ザルでの湯切りは緩め。
    盛り付けもアバウトだが、バランスはちゃんと取れている。
    トッピングはワサッと入れられたモヤシに、塊も見られるゴロゴロした挽肉だ。
    卓上には穴開きレンゲが用意されているので、挽肉を最後まで楽しめる。
    そしてオプションのチャーシュー一枚はかなりの大きさがあり、脂の蕩けるいわゆる神豚と言えるレベルの魅力的なチャーシューだ。
    噛むと化調の味付けが、口中にグワーッと広がる。
    これは貶しているのではなく、褒め言葉だ。
    この昭和な麺を皆欲して、ここに吸い寄せられるのだ。
    ただ、今猛烈に舌が痺れている。