• 信州(800円)

  • 1口目、スープをこぼさないようにすする。流れ込むコク、舌に触れる味噌、うーん、濃い。こってりというよりは、まってりとした風合い、信州の深雪に足を踏み入れたような。ゆっくりと味わい沈んでいく感覚。母の味、とはいかないまでも、実家に向かうあの何も無いコンビニエンスストアの薄ぼけた電灯がポツンと光る道を見て、あの頃を思い出すような、懐かしいラーメン。世界に入りつつ、麺を啜っていく。スープの深さに程よく縮れた麺が調和し、アクセプトしている。全てが極上のハーモニーとなり、口に拡がって、、うーん、センチマンタリズムとはこのことか。結局、スープを残らず味わってしまった。店の外観、内観、雰囲気ひとつとっても落ち着いた、休日にふらっと立ち寄りたくなる魅力がそこにはあった。