• 王様中華そば(900円)

  • 2022年3月31日(木)

    一昨夜は仕事帰りに前々から気になっていたこちらの店を初訪問。

    本当はニボ美と人形町の某店を訪れる予定でしたが、この日は彼女の体調が良くなかった事から1人で別の店を訪れる事としました。

    こちらは長野を本拠地とした「BOND OF HEARTS」グループの都内第1号店との事です。

    因みに、このグループを率いる人物はラーメンプロデューサーとして著名である「塚田兼司」氏です。

    18時43分に到着すると、夕食には早めの時間である事から店内には先客が僅か4名のみの状況です。

    先ずは「王様中華そば」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと待つ事10分ほどでラーメンが到着です。

    尚、このラーメンは長野の老舗である「光蘭」が発祥であり、御当地ラーメンとする為にも現在では県内で広く提供されているとの事です。

    透明な醤油スープには黒胡椒が浮いていて、細麺の上にはチャーシュー、笹掻きで粗めに切った大量のネギ、メンマ、海苔が乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度でいてコクを保った醤油の風味と共に、胡椒の鮮烈な香味を帯びた出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は鶏が主体と思われますが、醤油の豊潤な旨味と黒胡椒の香味が重なる事で味わいに厚みが増すと共に若干のノスタルジーを与えます。

    また、スープからは微かな甘味を感じるものの、加糖で与えた様な違和感を一切伴う事なく、昆布に似た極自然な甘味である様に感じます。

    次に麺を食べてみると、低加水寄りの細麺が若干硬めに茹でられていて、噛み締めると緻密な歯応えと共に穏やかな小麦の風味を感じます。

    そして、ネギと麺を一緒に絡めて食べてみると、スープの味わいと胡椒の風味が背景となって小麦やネギの甘味が一際輪郭を増す印象です。

    ネギは苦味やエグ味を伴う事なく清々しい甘味だけを与えていて、スープの中に切り落としただけとは信じ難い極めて見事な仕上がりです。

    次にチャーシューを食べてみると、低温調理で仕上げたと思しき豚肩ロースが薄めにスライスされています。

    肉質は穏やかに下味を帯びていて、噛み締めると肉々しい歯応えを感じると共に、赤身の旨味や脂身の甘味が舌に至って素直に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、ネギの甘味が極めて印象的ではあるものの、全体的にはノスタルジーを感じさせるオーソドックスな味わいでした。

    ただ、御当地ラーメンとして深く浸透させる事を考えると、特長が映えつつも派手さの無いこの様なラーメンが正に相応しい様に感じます。

    尚、このメニューは「BOND OF HEARTS」グループの都内2号店である「魚雷」でも提供している様です。

    因みに、今私が「BOND OF HEARTS」のメニューの中で最も気になっているのは長野の「笑楽亭」で提供している「竹豚ラーメン」です。

    私は未だ長野で食べ歩いた経験が無いので、今年中に一度は長野を訪れて「BOND OF HEARTS」グループの店を巡ってみたいと思います。

    ご馳走さまでした。