• 支那そば(650円)

  • 2022年6月7日(火)

    一昨夜は飯田橋で打ち合わせを終えてからこちらの店を初訪問。

    創業46年を迎える老舗であり、何とこちらの1年間を記録した映画が海外で上映されたそうです!(驚)

    当然ずっと気になってはいたものの、土日祝休みである事から中々と訪れる機会がありませんでした。

    16時47分に到着すると、1階席には常連と思しきご年配の先客2名が店主と談笑を交わしている状況です。

    早速「支那そば」と「餃子」を注文すると、席で待つ事6分ほどで先にラーメンが到着です。

    透明な醤油スープには油や刻みネギが浮いていて、微細に縮れた細麺の上にはチャーシュー、メンマ、海苔、ホウレン草が乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、適度でいて膨よかな醤油の風味や塩味と共に、淡麗でいてシンプルな出汁の味わいが口の中に広がります。

    出汁は鶏や豚の動物系に野菜類と思われますが、何かが突出する事なく渾然一体と調和する事で味わいにさり気ない厚みを与えています。

    一方、タレは調味料の気配や人口的な甘味をさほど伴わない事から、元々の醤油が持つ無垢な風味が極めて素直に保たれている印象です。

    尚、表面に浮いた油を飲んでみると、昔の設計である事からラードかと思いきや、自ら味わう限りでは主体は鶏油である様な気がします。

    昔の中華そばを彷彿とさせる素朴な味わいではあるものの、凡ゆる旨味が均整を保つ事で味わいに充分な強さを備えている様に感じます。

    次に麺を食べてみると、細麺が若干柔らかめに茹でられていて、噛み締めると些か粘りを帯びた歯触りと共に鮮明な小麦の風味を感じます。

    そして、縮れた細麺にはスープと共に油が存分に絡み込み、啜り込むとそれらが舌まで同時に運ばれる事で味わいに一段と深みが増します。

    尚、風味の強さや伸び易さに加えて些かボソ付いた食感を考慮すると、加水率は昔の中華そばに比べて若干低め寄りである様な気がします。

    次にチャーシューを食べてみると、半ば角煮に近い豚バラ肉の煮豚が極めて厚めにスライスされています。

    肉質は持ち上げると壊れるほどホロホロに煮込まれていて、口に入れると脂身が溶け出すと共に豚脂のコクや甘味が舌に鮮明に伝わります。

    一方、遅れて到着した餃子を食べてみると、野菜主体の餡が若干厚めな皮で包まれた上で仄かに焦げ目を帯びる様に焼き上げられています。

    中身の餡は至って軽めに味付けされていて、噛み締めると焦げた皮の香ばしさと共にニンニクの風味や野菜の甘味が舌に存分に伝わります。

    食べ終えた感想ですが、今や在り来りな味わいではあるものの、食べ続けるに連れて次第と惹き込まれるバランスに優れた仕上がりでした。

    定休日の都合で頻繁に訪れる事は難しいものの、改めて訪れる機会があれば辛味噌味である「もやしそば」を是非試してみたいと思います。

    ご馳走さまでした。