• 醤油拉麺(1000円)

  • 2020年12月25日(金)

    昨夜は会社で仕事を終えてからこちらの店を初訪問。

    和食の職人が営む新店と聞いて前々から気になっていました。

    18時22分に到着すると、夕食には早めの時間である為に先客は未だ誰も居ない状況です。

    先ずは「醤油拉麺」の食券を購入し、席に着いて店員さんに食券を渡すと待つ事6分ほどでラーメンが到着です。

    若干濁った醤油スープにストレート中細麺、その上にはチャーシュー、山クラゲ、小口切りの万能ネギが乗っています。

    先ずはスープを飲んでみると、かなり優しい醤油の風味や塩味と共に、濃密でいて極めて複雑な出汁の味わいが舌に伝わります。

    出汁は豚と鶏に魚介節と思われますが、一般的なラーメンの出汁とは全く異質な味わいで、凡ゆる風味が主張しつつも不思議な一体感を保っています。

    一方、スープからは仄かな甘味を感じるものの、ラーメンで馴染みのある昆布や野菜類の甘味とは一風違った味わいです。

    牛骨らしき風味が舌を一瞬過ったものの、確証に値するほど鮮明に感じる訳でもなく、結局私の舌では明確な判断に至る事が出来ませんでした。

    次に麺を食べてみると、中庸に加水された中細麺がほど良い硬さに茹でられていて、モチモチ感や歯切れの良さと共に小麦粉の仄かな風味を感じます。

    ただ、スープの絡みは決して悪くないものの、スープの塩味が優し過ぎる為に麺から伝わる味わいは些か輪郭が呆けている印象です。

    次にチャーシューを食べてみると、低温調理で仕上げた鶏胸肉のレアチャーシューに、片栗粉と胡椒を塗してスープで軽く煮込んだ豚肩ロースです。

    鶏胸肉はレア感と共に極めて歯切れの良い食感を保っていて、噛み締めると鶏胸肉の淡白な旨味が驚くほど舌に鮮明に伝わります。

    一方、豚肩ロースは片栗粉を塗す事で肉質に旨味を保っていて、尚且つ片栗粉の衣がスープを吸う事で味の一体感を保っています。

    尚、象徴的な厚焼き玉子は単品としては美味しいと思うものの、私個人的にはラーメンの具材としての必然性をさほど感じません。

    食べ終えた感想ですが、率直に言うと和食の技術で作り上げたパーツを寄せ集めて取り敢えずラーメンに仕上げた様な味わいに感じました。

    勿論、スープや各々の具材は極めて素晴らしい味わいであるものの、総合的なラーメンとしての完成度には正直今一つ欠ける印象が否めません。

    ただ、開店してから未だ半年に満たない店ですし、今後の進化に期待つつ暫く間を置いてから再び訪れたいと思います。

    ご馳走さまでした。