東京駅の激戦区で「次は別のメニューを」と再訪を即決させる、稀有な一杯でした。
青森県外初出店の期待を背負う店内は、津軽三味線のBGMが響く心地よい空間。看板の「こいくち」は、その濃厚なセメント色のルックスを鮮やかに裏切ります。ドロつきのない驚くほどサラリとした質感で、煮干しのエグみや塩気の角が一切ない、旨味だけを抽出した洗練されたスープです。
中太麺のプリッとした弾力も、食べ進めるほどにスープの軽快さと共鳴し、絶妙なバランスを形作ります。煮干しラーメンの概念を覆す後味の良さと、本場の情緒。「また来たい」と心から思わせる、確かな説得力のある名店でした。