• ラーメン(しょうゆ)

  • 堀川中立売の川沿いにあるラーメン屋なのだが、2020年にオープンした比較的新しい店という事以外にあまり情報が無い。だったら自分の舌で確かめれば良いだけじゃないか、ということで初訪を果たす。
    基本のラーメンは醤油/塩の2種のみとシンプル。そんな中、メニューで目を引くのがラーメン&牛丼のセット。ラーメンor牛丼という2択のシチュエーションは判るが(実際に自分にもよくある)、両方を店舗で同時に食すことはほぼありえない。ラーメン屋の丼モノも色々と食べて来たが、牛丼が選択肢にある店は…………ある。いや、あった。
    遡ること今から20年前。丸太町通は花園大学の近くに【ラーメン太郎】の支店があり、そこでラーメンと牛丼のセットを何度か食べた記憶がある。調べてみると、嵐電常盤駅近くの本店(創業1977年の老舗だが2020年に惜しまれつつ閉店)でも牛丼は提供されていた。
    【コウダイ】は【太郎】の遺伝子を継いだ店なのか、あるいは単なる他人の空似か……? あれこれ考えている内にセットが着丼する。まずラーメン。看板にある《明日も食べたい光大ラーメン》のキャッチコピー通り、スープも麺も懐かしく尖りのない安定感のある、飽きの来ない中華そば。2枚のバラ煮豚もワイルドな肉の旨みがある旧来のスタイル……だがこのテイスト、確かに【太郎】とよく似てる。そして濃いめに炊かれた牛丼。これも人口に最も膾炙するタイプの「This is」牛丼で、紅ショウガも別添えされている。画像を見ての通りボリュームもしっかりした物で、ミニ丼といった風情ではない。このセットが1000円なのだからコスパも中々に良い(ラーメン単品は800円)。
    そう言えばこの黒を基調としたお品書きも【太郎】のそれを想起させる。やはり関係があるのだろうか……再訪の折に思い切って尋ねてみようと思う。

    余談だが、後日得た貴重な情報によると、花園駅前の【天下一品】(閉店。現在は居酒屋)や常盤の【第一旭】(これも閉店。現在は【ラーメン てんぐ】)でも牛丼がメニューにあったのだという。もしかしたらラーメン&牛丼の組み合わせは、あの一帯でのみ根付いていたのかもしれない。